ブドウ収穫祭(ベンディミア・フェスティバル)

ぶどうとワイン、アルゼンチンの誇りを祝うメンドーサの祭典


2026/03/05 - 2026/03/08

毎年3月、アルゼンチンのワインの都メンドーサは「ベンディミア・フェスティバル」の熱気に包まれます。これは単なるワインイベントではなく、ぶどうの収穫を祝う壮大な祭典。新鮮なぶどうの香りとフォルクローレ音楽のリズムが街にあふれ、パレードや花火、グラスを交わす音で夜が更けていきます。ワイン好きはもちろん、文化やお祭りを体感したい人にとっても、伝統と味わい、歓喜に満ちた特別な体験となるでしょう。

この祭りはメンドーサ市と州全体で、例年3月初旬に開催されます。地元の家族から世界中の観光客まで、毎年数十万人がメンドーサの誇るワインと、それを支える人々の情熱を分かち合います。

主な見どころ

ビア・ブランカ・デ・ラス・レイナス(女王たちの白い道パレード)

金曜夜に行われるこのパレードは、メンドーサ州19地区の「女王」たちが、ぶどうや花で飾られた豪華な山車に乗って市内を進みます。きらびやかな衣装をまとった女王たちが、20万人を超える観客に手を振り、時にはワインボトルやプレゼントを山車から投げてくれるのが名物。長い棒の先にカゴをつけてワインをキャッチする人々の姿もおなじみです。

カリュセル・ベンディミアル

土曜朝には「カリュセル」と呼ばれる昼間のパレードが開催され、女王たちの山車に加え、伝統衣装のガウチョや馬、フォルクローレダンサー、他州や外国の代表団も登場します。馬のひづめの音、色鮮やかな衣装、フォルクローレ音楽が街を包み、メンドーサの多文化的な誇りが感じられます。

アクト・セントラル(中央ショー)

祭りのクライマックスは、フランク・ロメロ・デイ野外劇場で行われる「アクト・セントラル」。1,000人以上のダンサーやパフォーマーが壮大な光と音、ダンスでぶどうの守護聖人カルロディージャの聖母に捧げるショーを繰り広げます。最後はベンディミア女王の戴冠式と花火で夜空が彩られます。

その他の主なイベント

2月最終日曜に行われる「果実の祝福」は、収穫の始まりを告げる感動的な儀式です。祭り期間中は、賑やかなストリートフェアや手工芸市、地元ワイナリーでのワインテイスティング、広場でのライブ音楽など、街全体が祝祭ムードに包まれます。公園や歴史的スポットも多くの人で賑わいます。

衣装と装飾

女王たちはぶどうモチーフのドレスや花冠、サッシュで華やかに着飾り、ダンサーたちはカラフルなフォルクローレ衣装で踊ります。山車は生花やぶどうの蔦、地域のシンボルで美しく飾られ、街中もバナーや旗、ぶどうをテーマにしたデコレーションで彩られます。夜にはランタンや花火が幻想的な雰囲気を演出します。

伝統グルメ&ドリンク

食通にもたまらないのがベンディミア。屋台ではエンパナーダやグリル肉、地元チーズやペイストリーが並び、メンドーサ名産のマルベックやトロンテスワインが惜しみなく振る舞われます。ぶどうの甘い香り、アサードの煙、オリーブやオリーブオイルの爽やかな香りが食欲をそそります。地ビールやチョコレートビールなど新しい味も楽しめます。

文化・歴史的背景

ベンディミアの歴史は17世紀に遡ります。当時、メンドーサの農家たちはぶどうの収穫を終えるたびに、家族や近隣の人々と小さな集まりを開き、豊作を祝い感謝を捧げていました。やがてメンドーサはアンデス山脈の雪解け水や豊かな日照、昼夜の寒暖差、ミネラル豊富な土壌といった理想的な気候・地理条件に恵まれ、アルゼンチン最大のワイン生産地へと発展します。現在では国内ワイン生産量の約70%がこの地で造られています。

1936年、地元のぶどう農家やワイン生産者の努力と誇りを広く称えるため、公式な「ベンディミア・フェスティバル」が始まりました。祭りは年々規模を拡大し、パレードや伝統音楽、ダンス、そして「ぶどうの女王」の戴冠式など、多彩なイベントが加わりました。特に「ビア・ブランカ・デ・ラス・レイナス」や「カルセル・デ・ベンディミア」などのパレードは、メンドーサの歴史や文化、地域の多様性を体感できる重要な催しとなっています。

また、祭りのクライマックス「アクト・セントラル」では、千人以上のダンサーやパフォーマーが壮大な舞台を繰り広げ、地域の守護聖人「カロディーリャの聖母」への感謝や、ぶどうとワインへの敬意が表現されます。ベンディミアは今や世界有数の収穫祭として知られ、2020年には15万人以上の観光客が訪れ、ナショナルジオグラフィック誌の「世界のベスト収穫祭トップ10」にも選ばれています。

地元の人々にとってベンディミアは、単なるお祭りではなく、世代を超えて受け継がれるアイデンティティと誇りの象徴。自然の恵みと人々の努力が結びついた“メンドーサの魂”そのものであり、女王の戴冠式や伝統儀式を通じて、文化やおもてなしの心が次世代へと受け継がれています。

参加者の声

ワイン好きとして夢だったベンディミアに参加。地元の家族と『果実の祝福』に参加し、土地への敬意や人々の思いに心を打たれました。夜の野外劇場ショーは色彩と音楽、感動の連続でした。

豆知識

  • 山車から配られるワインやプレゼントを、長い棒の先にカゴをつけてキャッチするのが名物。

開催日程

ベンディミア・フェスティバルは毎年3月初旬、アルゼンチン・メンドーサで開催されます。

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実際の様子


開催情報

名称 ブドウ収穫祭(ベンディミア・フェスティバル)
アルゼンチン
エリア メンドーサ
開催時期 2026/03/05 - 2026/03/08
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