ボロブドゥールのハリラヤ・ワイサック
祈りとランタンが夜空を彩る仏教最大の祭典
2026/05/14 - 2026/05/16
毎年5月の満月の夜、インドネシアを代表する仏教寺院ボロブドゥールは、ハリラヤ・ワイサック(仏陀の誕生・悟り・入滅を祝う祭典)の舞台となります。3日間にわたり、世界中から集まった数万人の僧侶や信者、旅行者がこの世界遺産に集い、瞑想や祈り、ランタン上げの儀式を体験します。精神性を求める人、歴史好き、旅好きにとって、古代の儀式と生きた信仰が出会う感動の瞬間です。
サフラン色の法衣をまとった僧侶たちの行列、読経や鐘の音、熱帯の風に漂う線香の香り、夜明けの石畳のひんやりとした感触…。夕暮れには精進料理や果物、そして数千ものランタンの柔らかな光が、神聖で幻想的な空間を作り出します。
主な見どころ
ランタン上げと夜のプロセッション
祭りのクライマックスは、夜空に放たれる大量のランタン。暗闇の中、願いを込めて灯されたランタンが古代のストゥーパの上に次々と舞い上がり、無知から智慧への旅路を象徴します。
聖水の儀式と聖なる行進
祭りはメンドゥット寺院での聖水の儀式から始まります。聖水は行列でボロブドゥールへ運ばれ、僧侶や信者たちは裸足で蓮や旗、ロウソクを手に唱えながら歩きます。昼夜を問わず続く行進は、祈りと色彩の“動くタペストリー”です。
瞑想・読経・供物の儀式
期間中、寺院の敷地にはマントラや鐘、ゴングの音が響き渡ります。数千人が一斉に瞑想する光景は圧巻。信者たちは果物や花、線香をストゥーパの足元に供え、僧侶の導きで全ての生き物の幸福を祈ります。
衣装と装飾
僧侶はサフラン色やえんじ色の法衣、信者は純白の服で清らかさを表します。寺院は蓮の花や色鮮やかな旗、無数のロウソクやランタンで飾られ、数珠や石畳、夕風に揺れる旗の感触も印象的です。
文化・歴史的背景
ボロブドゥールのワイサックは、ジャワの古代仏教王朝時代から続く伝統に根ざしています。仏陀の三大聖事を祝うこの祭りは、5月の満月に合わせて行われ、ボロブドゥールは9世紀に建てられた世界最大級の仏教遺跡としてインドネシアの精神文化の象徴です。20世紀に国を挙げて復興され、今では国内外の仏教徒や旅行者が集う一大イベントとなりました。
インドネシア仏教徒にとってワイサックは一年で最も神聖な日。浄化と慈悲、コミュニティの絆を再確認する時間であり、平和と共生の価値を世界に発信する“生きた遺産”です。
参加者の声
私にとってワイサックは希望の祭り。毎年ランタンに願いを書いて空に放ち、光と優しさが世界に広がることを信じています。
豆知識
- 毎年2万個以上のランタンが夜空に放たれる。
- ボロブドゥールは世界最大の仏教遺跡で、2600枚以上のレリーフと500体以上の仏像がある。
- インドネシアではワイサックは「トリスチ・ワイサック(三大聖事)」とも呼ばれる。
- 聖水の儀式で使われる水はメンドゥット寺院とパウォン寺院の2つの泉から汲まれる。
開催日程
ボロブドゥールのハリラヤ・ワイサックは毎年5月〜6月、ジャワ島中部のボロブドゥール・メンドゥット・パウォンの各寺院で開催。ランタン上げや行進、瞑想と祈りの空間をぜひ現地で体験してください。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
開催情報
名称 | ボロブドゥールのハリラヤ・ワイサック |
国 | インドネシア |
エリア | ボロブドゥール |
開催時期 | 2026/05/14 - 2026/05/16 |
リンク |
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