サン・イシドロ祭り

伝統と信仰とフィエスタが咲き誇るマドリードの春


2026/05/07

毎年5月、スペインの首都マドリードは守護聖人サン・イシドロを讃える「サン・イシドロ祭」で活気に満ちあふれます。1週間以上にわたり、野外コンサートやフォークダンス、パレード、昔ながらの儀式が街中を彩り、地元の人も観光客も色とりどりの音楽や伝統料理の香りに包まれます。サン・イシドロ祭は、マドリードの魂そのものであり、過去と現在が街の広場や公園で一体となる“生きた祭典”です。

5月15日前後を中心に、マドリード各地の会場には毎年100万人以上が集まります。春の日差しの下、家族でピクニックを楽しむ人、夜遅くまでコンサートを満喫する音楽好き、本場の味を求める旅行者まで、誰もが主役になれるお祭りです。

主な見どころ

プラデラ・デ・サン・イシドロの巡礼と祝福

祭りの中心は、サン・イシドロの名を冠した小さな礼拝堂がある「プラデラ・デ・サン・イシドロ」への巡礼。伝統衣装チュラポやチュラパ姿のマドリレーニョたちが、奇跡の泉の水を求めて列を作ります。教会の鐘やフォークソング、家族が木陰で手作り料理を広げる光景が広がり、笑い声とともに春の風が心地よく吹き抜けます。

主なイベント

巨大人形やマーチングバンドのパレード、マヨール広場やラス・ビスティージャスでの夜の野外コンサート、マンサナレス川を彩る花火大会などイベントは盛りだくさん。スペイン独自のオペレッタ「サルスエラ」や子ども向けのゲーム、遊園地、世界中のファンが集うラス・ベンタス闘牛場でのサン・イシドロ闘牛祭も見逃せません。

衣装と装飾

街にはチュラポ(男性:チェック柄ベストや帽子、赤いカーネーション)、チュラパ(女性:水玉ドレスやショール、レースのスカーフ)姿があふれ、紙のガーランドやバナー、花屋台が並びます。カーネーションの香りやカラフルな扇子、ハンカチが祭りの雰囲気を盛り上げます。

伝統グルメ&ドリンク

サン・イシドロ祭といえば、ロスキージャ(リング状のドーナツ菓子/プレーン、アイシング、メレンゲがけなど種類も豊富)が名物。他にもバルキージョ(ロール状のウエハース)、ガジネハス(羊の腸の揚げ物)、イカフライサンドなども人気。アニス酒やチュロス&ホットチョコ、焼き栗の香ばしさが祭りの空気に溶け込みます。

文化・歴史的背景

サン・イシドロ祭の起源は17世紀にさかのぼり、11世紀にマドリードで生まれた農夫で奇跡を起こした聖イシドロを讃える巡礼が始まりです。宗教的な行事から発展し、今ではマドリード最大の市民祭となり、信仰と娯楽が融合した特別な時間として親しまれています。マドリレーニョにとっては、土地への感謝や家族・仲間との絆を再確認する大切な行事です。

現代のサン・イシドロ祭は、マドリードらしい誇りと開放感、そして誰でも歓迎される温かさを体現しています。伝統のリズムや味、儀式が世代を超えて受け継がれ、初めて訪れる人も自然と街の一員になれるのが魅力です。

参加者の声

観光客として参加しましたが、エネルギーと温かさに感動。地元の方々にチョティス(伝統舞踊)を教えてもらい、ガジネハスも初体験。夜の花火は圧巻で、今まで見たどの祭りとも違いました

豆知識

  • プラデラの泉の水は病気を癒し幸運をもたらすと信じられています。

開催日程

サン・イシドロ祭は毎年5月、マドリード各地で開催され、メインは5月15日です。

開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。

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実際の様子


開催情報

名称 サン・イシドロ祭り
スペイン
エリア マドリード,
開催時期 2026/05/07
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