聖十字架祭り
歴史とワインが駆け抜けるカラバカ・デ・ラ・クルスの春
2026/04/30 - 2026/05/04
毎年春、スペイン南東部のカラバカ・デ・ラ・クルスの街は、色鮮やかな装飾と馬の蹄の音、そしてワインの香りで満たされる「聖十字架の祭り(ワイン馬祭り)」で大いに盛り上がります。中世の伝説と信仰、そして熱狂的な競走が融合したこの祭りでは、豪華な刺繍マントをまとった馬たちがワインを浴びながら街を駆け抜け、何万人もの観客が歓声を上げます。五感を刺激するこの春の祭典は、アドレナリンと伝統、そしてスペインらしい陽気さを体感したい人にぴったりです。
毎年5月1日から5日まで開催され、家族連れや歴史好き、スリルを求める人、そしてワイン好きまで、誰もが楽しめるユネスコ無形文化遺産登録の一大イベント。特に5月2日の「ワイン馬レース」は圧巻ですが、期間中はパレードや伝統舞踊、グルメも盛りだくさん。馬の蹄の振動、ワインの飛沫、街全体が一体となる熱気をぜひ現地で味わってください。
主な見どころ
ワイン馬レース
祭り最大のハイライトは「カバジョス・デル・ビノ(ワイン馬)」レース。豪華な刺繍マントをまとった馬たちが、4人1組の若者に導かれ、カラバカの丘の上にある中世の城を目指して一気に駆け上がります。観客の大歓声とともにワインが飛び交い、馬たちはまるで生きた芸術品のよう。最速のチームには栄光が贈られますが、すべての馬がその美しさと勇壮さを称えられます。
主なイベント
祭りは伝統衣装のパレード「花の奉納」からスタート。街中が音楽やフォークダンス、生花の香りで満たされます。5月2日はワイン馬が主役となり、続いて「ムーア人とキリスト教徒」パレードでは中世の戦いを再現した壮大な仮装行列や模擬戦、花火が夜空を彩ります。夜はコンサートや屋外の宴、ダンスで街が一晩中賑わいます。
衣装と装飾
馬たちは金糸やスパンコール、宗教的・歴史的モチーフが刺繍された豪華なマント(最大40kgにもなる)をまとい、引き手たちはワイン色や白の衣装で統一。街には旗や花、ペナントが飾られ、城は聖十字架を讃えてライトアップ。ビロードや金糸の手触り、馬とワインの香りが混じる、華やかでどこか素朴な雰囲気が漂います。
伝統グルメ&ドリンク
祭りではムルシア地方の郷土料理が並びます。肉や野菜の煮込み、炭火焼きラム、ミガス(パンくずとソーセージ・野菜の炒め物)、エンパナディージャ(具入りパイ)などが人気。地元の赤ワインがふんだんに振る舞われ、甘いトリハス(スペイン風フレンチトースト)も必食。焼き立てパンや肉の香り、ワインの酸味が祭りの空気を彩ります。
文化・歴史的背景
ワイン馬祭りの起源は中世にさかのぼります。伝説によれば、13世紀のムーア人による包囲戦の際、キリスト教騎士たちが敵陣を突破してワイン(当時は治癒や奇跡の力があると信じられていた)を城に運び入れたのが始まり。馬たちはワインを守る英雄として讃えられ、やがて信仰と勇気、地域の誇りを象徴する祭りへと発展しました。
地元の人々にとってこの祭りは、歴史とアイデンティティを体現する大切な行事。聖十字架への信仰、共同体の結束、そして馬と人の技と美を競う場として、世代を超えて受け継がれています。
参加者の声
ドイツからこの祭りのために来ました。馬の衣装の美しさに圧倒され、街の人たちも温かく迎えてくれました。ワインの香りとレースのスリル、一生忘れません
豆知識
- 馬の刺繍マントは完成まで1年かかることもあり、制作費は1万ユーロを超えることも。
- 毎年60頭以上の馬とチームがレースに参加。
- ワインを馬に振りかけるのは幸運と伝説への敬意のしるしです。
開催日程
聖十字架の祭り(ワイン馬祭り)は毎年5月1日~5日にカラバカ・デ・ラ・クルスで開催されます。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
開催情報
名称 | 聖十字架祭り |
国 | スペイン |
エリア | ムルシア州, カラバカ・デ・ラ・クルス |
開催時期 | 2026/04/30 - 2026/05/04 |
リンク |
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