冷凍遺体祭り
ロッキー山脈で“奇妙”と“氷点下”が交差する冬の大騒動
2026/03/12 - 2026/03/14
毎年3月、コロラド州エステスパークの山あいに、ちょっと不思議で賑やかな空気が漂います。「フローズン・デッド・ガイ・デイズ」は、冷凍保存されたノルウェー人のおじいさんの実話から生まれた、ユニークで笑いに満ちた冬のフェスティバル。棺桶レースや氷水ダイブ、雪上ライブなど、寒さも忘れるほどの熱気とおかしさが詰まった週末。仮装して雪の中でチリを食べ、音楽と笑いに包まれたい人には、ロッキー山脈で一番“クール”な祭りです。
毎年3月中旬にエステスパーク・イベントコンプレックスとスタンリー・ホテル周辺で開催され、地元の家族連れから冒険好きな旅行者まで全米から人が集まります。氷水に飛び込むもよし、棺桶リレーを応援するもよし、ただこの不思議な雰囲気を味わうだけでも価値あり。冬や笑い、そして“変わった物語”が好きな人にぴったりのイベントです。
主な見どころ
棺桶レース
祭り最大の名物は「棺桶レース」。6人1組(うち1人は“死体役”で棺桶に入り、5人が押す)が雪と氷の障害コースを全力疾走!木製棺桶がガタガタと鳴り響き、奇抜なコスチュームと観客の大歓声が広場を包みます。元祖“冷凍おじいさん”ブレドへのオマージュでもあります。
主なイベント
他にも氷水ダイブ(ポーラープランジ)、アイスクリーム早食い「ブレインフリーズ」コンテスト、凍傷ファッションショー、複数ステージのライブ、日曜恒例の「バンド&ブラッディーズ」ブランチなど盛りだくさん。家族向けの雪遊びや、フードトラック&ビアガーデンも充実しています。
衣装と装飾
参加者はゾンビメイクやバイキングの兜、ペンギンの着ぐるみ、レトロなスキーウェアなど思い思いの仮装で登場。棺桶も海賊船や霊柩車、宇宙船風など自由自在。会場には氷の彫刻やバナー、イルミネーションが彩り、薪の香りやチリ、ホットワインの香りが冷たい空気に漂います。
伝統グルメ&ドリンク
会場にはチリやホットドッグ、バーベキュー、地元コロラドのクラフトビールが並びます。スパイスの効いたホットサイダーやホットワイン、ココアも人気。寒さの中で食べる熱々の料理は格別!名物のアイスクリーム早食いコンテストも必見です。
文化・歴史的背景
この祭りの始まりは1989年、ノルウェー人のブレド・モルストールが亡くなり、孫のトリグヴェが「いつか蘇生できる日を夢見て」冷凍保存したことがきっかけ。カリフォルニアからコロラド州ネーデルランドに運ばれ、やがて町の伝説に。2002年に“変わり者の町の誇り”としてフェスティバル化し、2023年からはエステスパークに移転。冷凍おじいさんと町のユーモア、そして「寒さも楽しむ」精神が今も息づいています。
地元の人にとってFDGDは、ただの祭りではなく「変わったものを受け入れ、寒さの中でつながる」象徴。全米から2万人以上が集まり、コロラドの冬の名物イベントとして定着しています。
参加者の声
テキサスから“何が起きるのか見てみたくて”初参加。氷水ダイブでペンギン仮装のグループと友達になり、寒さも吹き飛ぶ一体感でした
豆知識
- ニューヨーク・タイムズ「冬のベストパーティ10選」に選出。
- ブレドおじいさんは現在、エステスパークのスタンリー・ホテルにある世界唯一の「冷凍保存ミュージアム」に安置。
- ドキュメンタリー映画やオリジナルグッズ、テーマソングまで誕生。
- ネーデルランドでは冷凍遺体の保管は原則違法ですが、ブレドおじいさんだけは“特例”で認められています。
開催日程
フローズン・デッド・ガイ・デイズは毎年3月、コロラド州エステスパークで開催。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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