エル・チポテガト

トマトと伝統と熱狂が渦巻くタラソナの夏


2025/08/26

毎年8月27日、スペイン・アラゴン州の小都市タラソナは、色と笑いと飛び交うトマトで大騒ぎになる「シポテガト祭」で幕を開けます。マスク姿の道化師が群衆に追われながら広場を駆け抜け、無数のトマトが飛び交うこの祭りは、伝統とアドレナリン、そして町全体の一体感が渦巻くスペクタクル。全身トマトまみれになって笑い合いたい人、本物のスペインの熱気を味わいたい人には絶対に外せない夏のイベントです。

毎年8月27日に開催され、タラソナの一週間の祭りの幕開けを飾ります。地元の人も観光客も、家族連れもスリル好きも誰でも参加OK。トマト投げのカオスに飛び込むもよし、見物するもよし。スペインで最もエキサイティングで忘れられない伝統のひとつです。

主な見どころ

シポテガト追いかけっこ

祭りの中心は、タラソナのエスパーニャ広場で繰り広げられる大追いかけっこ。正午、黄色・緑・赤の縞模様の道化師「シポテガト」が市庁舎から姿を現すと、広場は大歓声。シポテガトは玉付きの杖を手に、トマトを構えた群衆の中を縫うように駆け抜けます。つぶれたトマトの香り、衣装を打つ果実の音、何千人もの歓声と笑い声…無事に広場を走り抜けたシポテガトは、仲間たちに担ぎ上げられ、町の英雄となります。

主なイベント

追いかけっこ以外にも、巨大人形(ヒガンテス&カベスードス)のパレード、伝統音楽やダンス、牛追い、夜の花火など一週間イベントが盛りだくさん。町中には旗やバナーが飾られ、広場や通りごとにコンサートや屋台、オープンエアの宴会が開かれ、トマトの果汁と一緒に連帯感が広がります。

衣装と装飾

シポテガトの衣装は黄色・緑・赤のストライプにフルフェイスのマスク、玉付きの杖がトレードマーク。多くの参加者は白い服で参戦し、最後には全身真っ赤に染まります。レインコートやゴーグルで防御する人も。町中にはトマトの山やカラフルな装飾が並び、戦いの準備は万端です。

伝統グルメ&ドリンク

トマト合戦の後は、アラゴン地方のミガス(パンくずとソーセージ・ピーマン炒め)、テルナスコ(子羊のロースト)、エンパナディージャ(具入りパイ)など地元料理が並びます。赤ワインやカリモチョ(赤ワイン+コーラ)が振る舞われ、焼き肉やにんにく、甘いお菓子の香りが漂います。屋台ではアイスやチュロスも人気です。

文化・歴史的背景

シポテガトの起源は18世紀、囚人が群衆を突破できれば自由になれるという伝説に由来します。やがて象徴的な儀式となり、今では地元の若者の中から抽選で選ばれた一人がシポテガト役を担います。タラソナの誇りであり、スペインの「観光名物祭り」にも指定されている伝統行事です。

地元の人にとってシポテガトは、世代を超えて受け継がれる通過儀礼であり、町の結束や勇気、ユーモアを祝う特別な日。変わらない“熱”が毎年タラソナを包みます。

参加者の声

バルセロナから見に来ました。広場は人でぎっしり、みんなでトマトを投げ合って大笑い!全身真っ赤になったけど、地元の人とワインを分け合いながら語り合い、夏一番の思い出になりました

豆知識

  • 2万キロ(約4万4千ポンド)以上のトマトが使われます。
  • シポテガト役は地元の若者の抽選で決まり、当日まで秘密です。
  • 追いかけっこの後、シポテガトの杖は市庁舎に飾られます。

開催日程

シポテガト祭は毎年8月27日、タラソナ(アラゴン州)で開催されます。

Cipotegato Festival: Tomatoes, Tradition, and Frenzy in the Summer of Tarazona

開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。

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実際の様子

Tokyo

photo by david herranz

Tokyo

photo by Eduardo Ortín

Tokyo

photo by david herranz


開催情報

名称 エル・チポテガト
スペイン
エリア サラゴサ, タラソナ
開催時期 2025/08/26
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