リッドゥ・リッドゥ

北極海岸に響く、先住民の声と世界のリズム


2026/07/07 - 2026/07/11

毎年7月、ノルウェー北部オルマイヴァッギ(マンンダーレン)の小さな海辺の村が、「リッドゥ・リッドゥ」で先住民文化の交差点に生まれ変わります。山とフィヨルドに囲まれた大自然の中、サーミをはじめ世界各地の先住民アーティストが集い、音楽・アート・ワークショップ・コミュニティの5日間が繰り広げられます。ヨイクや太鼓の響き、家族や仲間の笑い声が潮風とともに会場を包みます。

リッドゥ・リッドゥは地元サーミの人々はもちろん、世界中の先住民や旅行者、誰もが歓迎されるお祭り。真夜中の太陽の下で踊り、北極の味を味わい、サーミ工芸のワークショップに参加すれば、心も体も世界とつながる体験が待っています。

主な見どころ

世界を巡るコンサート

リッドゥ・リッドゥの中心は多彩なコンサート。サーミのミュージシャンと、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなど世界中の先住民アーティストが同じステージに立ちます。ヨイクやイヌイットの喉歌、レゲエやヒップホップ、エレクトロニカまで、ジャンルも国境も超えた音楽がフィヨルドに響き渡ります。芝生の上で裸足で踊る人々、潮風とリズムが混ざり合う開放感は格別です。

ワークショップと文化体験

日中はドゥオジ(サーミ工芸)のワークショップやヨイク体験、ラッソ投げなどの伝統プログラムが充実。子ども向けイベントや先住民の語り部サークル、アート展示もあり、会場全体が学びと交流の場に。ラヴ(サーミのテント)からは白樺の煙やトナカイシチューの香りが漂い、長老たちの昔話や若者のフェイスペイントが彩りを添えます。

衣装と装飾

多くの参加者が、鮮やかな刺繍や銀細工が美しいサーミの民族衣装ガクティを着用。世界各地の先住民もそれぞれの伝統衣装で集い、会場は色と物語のパッチワーク。サーミ旗や白樺の枝、流木やトナカイ角のアート作品が飾られ、ウールや革、ビーズの手触り、ミニチュアガクティ姿の子どもたちも印象的です。

文化・歴史的背景

リッドゥ・リッドゥの誕生は、1990年代初頭のサーミ社会の大きな転換期と深く結びついています。当時、マンンダーレン地域のサーミの若者たちは、長い間抑圧されてきた自分たちの言語や文化、アイデンティティを積極的に取り戻し、次世代へとつなげていく必要性を強く感じていました。彼らは「サーミであることを誇りに思い、世界に発信できる場を作ろう」と立ち上がり、1991年に第1回リッドゥ・リッドゥを開催しました。

「リッドゥ・リッドゥ」は北サーミ語で「海岸の小さな嵐」を意味し、自然の厳しさと文化の目覚め、そして時代の変化を象徴しています。初期は地元のサーミやノルウェー人が中心でしたが、やがてカナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど世界各地の先住民アーティストや活動家が参加する国際的なフェスティバルへと成長しました。

この祭りは、サーミの伝統音楽や工芸、言語、食文化の継承だけでなく、先住民同士の連帯や対話、多様性の尊重、現代社会における先住民の権利や課題について考える場としても重要な役割を果たしています。リッドゥ・リッドゥは、祖先や自然への敬意、知恵の継承、そして新しい世代への希望を発信する「生きた文化の祭典」として、今も世界中の人々を惹きつけ続けています。

参加者の声

ドイツから観光で参加しましたが、温かく迎え入れてもらいました。ラッソ投げに挑戦し、初めてトナカイシチューを味わいました。音楽も人も風景も、すべてが魔法のよう。先住民文化への敬意が深まりました。

豆知識

  • 「リッドゥ・リッドゥ」は北サーミ語で「海岸の小さな嵐」という意味。
  • 真夜中の太陽が沈まないため、夜通し音楽と祝祭が続く。
  • ワークショップやコンサートは、木とトナカイ皮で作られた伝統テント「ラヴ」で開催される。

開催日程

リッドゥ・リッドゥは毎年7月上旬~中旬にノルウェー・オルマイヴァッギ(マンンダーレン)で開催。

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実際の様子

Tokyo

photo by Riddu Riddu

Tokyo

photo by Riddu Riddu


開催情報

名称 リッドゥ・リッドゥ
ノルウェー
エリア
開催時期 2026/07/07 - 2026/07/11
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