オヒデー(NOの日)
誇りと団結、ギリシャの「NO」が響く記念日
2025/10/27
毎年10月28日、ギリシャ全土は青と白の旗で埋め尽くされ、「オヒデー(NOの日)」として抵抗と誇り、そして団結の空気に包まれます。アテネから小さな山村まで、軍事パレードや民族舞踊、ブラスバンドの響きが街を彩り、1940年にギリシャがファシズムに「NO」と言った歴史的瞬間を祝います。歴史好きも、家族で伝統を味わいたい人も、ギリシャの魂を体感したい旅人にも、オヒデーは勇気とコミュニティの生きた物語です。
秋の澄んだ空気、焼き栗やクルーリ(ゴマパン)の香り、そして高揚感が街に満ち、通りには揺れる旗が並びます。地元の人も観光客も肩を並べ、スピーチや音楽、子どもや兵士たちの誇り高い行進に胸を熱くします。
主な見どころ
パレード、スピーチ、民族の祝祭
オヒデーの最大の見どころは、ギリシャ全土の都市や村で行われる盛大なパレードです。アテネでは、無名戦士の墓前を中心に、児童やスカウト、退役軍人、軍隊が行進し、大統領や要人が見守る中、観衆は旗を振り、愛国歌を歌いながら声援を送ります。テッサロニキのパレードはさらに大規模で、軍用車両や戦闘機の飛行、民族衣装の舞踊団も登場します。
戦没者慰霊碑での献花や記念式典、1940年の出来事を語るスピーチも各地で行われます。村では広場での生演奏や伝統舞踊、夜遅くまで続くごちそうなど、厳粛さと誇り、世代を超えた一体感があふれます。
衣装・装飾・ナショナルカラー
オヒデーは視覚的にも壮観です。子どもたちは制服や民族衣装―男子はフスタネラ、女子は刺繍ブラウスやリボン―でパレード。通りは青と白の旗やバナー、花で飾られ、バルコニーにも愛国的なシンボルが溢れます。多くの人がギリシャ国旗のバッジやサッシュを身につけ、ペットまで青白コーデで登場することも。
文化・歴史的背景
オヒデーは1940年10月28日、ギリシャのメタクサス首相がムッソリーニ率いるイタリアの最後通牒を拒否し、枢軸軍の進駐を断固拒否したことを記念しています。「オヒ(NO)」という一言は国民の合言葉となり、ギリシャの第二次世界大戦参戦のきっかけとなりました。この日はすぐに“団結・勇気・屈服しない精神”の象徴となり、今も国民の誇りです。
ギリシャ人にとってオヒデーは単なる祝日ではなく、自由のために戦った人々の記憶と、団結の力を再確認する日。毎年のパレードや儀式、語り継がれる物語は、アイデンティティや誇りを新しい世代に伝え、家族の戦争体験を思い出す個人的な日でもあります。
参加者の声
「観光客として参加しましたが、国中が一斉に立ち止まり、共に記憶を分かち合う雰囲気に圧倒されました。店主がオヒデーの意味を説明してくれて、その誇りが伝わってきました。
面白い事実
- オヒデーはギリシャとキプロスの祝日で、学校や多くの企業が休みになります。
- 「Ochi」は「オヒー」と発音し、ギリシャ語で「NO」の意味です。
- 山間部の村ではWWIIの戦闘再現や劇が行われることも。
開催日程
オヒデーは毎年10月28日にギリシャとキプロス全土で祝われます。アテネやテッサロニキなど大都市のパレードや各地の祝祭にぜひ参加してみてください。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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