サルティリア祭

仮面と馬、そして中世の魔法が舞うオリスターノのカーニバル


2026/02/14 - 2026/02/16

毎年2月、サルデーニャの町オリスターノは「サ・サルティーリャ」の熱気と色彩、そして仮面の神秘に包まれます。カーニバル最終日曜と火曜に開催されるこの馬上競技祭は、何世紀もの歴史を持つ中世の儀式と勇壮な馬術、そして華やかな仮装が融合したスペクタクル。馬や砂埃、甘いお菓子の香りが漂い、数千人の観衆がマスク姿の騎手たちの勇姿に息を呑みます。

伝統やスリル、仮面祭の幻想的な雰囲気を愛する人にぴったり。地元の人も、遠方からのサルデーニャ人も、旅人も、サ・サルティーリャは“生きた民話”の世界へと誘ってくれます。

主な見どころ

星取り競技(コルサ・アッラ・ステッラ)

祭りの中心は「コルサ・アッラ・ステッラ」と呼ばれる馬上の星取り競技。謎めいたス・コンポニドーリを先頭に、仮面をつけた騎手たちが砂を敷き詰めた通りを全速力で駆け抜け、空中に吊るされた小さな銀の星を剣で見事に突き刺します。剣が光り、星がカチリと音を立て、馬の蹄が大地を揺らすたび、観客は一斉に息をのみます。星を取ると、その年の町に幸運が訪れると信じられています。

仮面と衣装のパレード

競技の前後には、オリスターノの街が豪華なパレードで彩られます。騎手たちは手縫いのベルベットの上着や刺繍入りのシャツ、サッシュ、そして感情を隠す白い仮面を身につけます。シルクの衣擦れ、金糸の輝き、無表情な仮面の不思議な雰囲気が、祭りに非日常の魔法をもたらします。

馬上アクロバット(パリーリエ)

午後になると、仮面の騎手たちが馬上で人間ピラミッドや馬から馬へのジャンプなど、驚きのアクロバットを披露。蹄の轟音、革や砂の匂い、リボンのきらめきが観客を夢中にさせます。子どもから大人まで大興奮の名物イベントです。

伝統グルメ&ドリンク

祭りの期間中は、砂糖をまぶした揚げ菓子「ジップラス」やリコッタと柑橘のパイ「パルドゥラス」、ローストポークや素朴なパンなどサルデーニャの名物が並びます。地元のヴェルナッチャワインやミルト酒も人気で、甘い香りと肉の香ばしさが中世の街並みに漂います。

文化・歴史的背景

サ・サルティーリャの起源は中世、もしくはそれ以前とも言われ、スペインやムーア、地元の伝統が融合した祭りです。もとは農耕の節目や騎士の技を競う行事でしたが、今ではオリスターノ最大の祭典に。半神半人の存在とされるス・コンポニドーリが祭りを司り、群衆に祝福を与える姿は、過去と現在、聖と俗をつなぐ象徴です。地元の人々にとって誇りとアイデンティティ、祖先との絆を感じる大切な行事です。

現在も数千人の観客が集い、サルデーニャ全土に中継されますが、儀式や秘密は今もギルドによって厳密に守られています。

参加者の声

ミラノからサ・サルティーリャ目当てで来ました。ギルドの方が衣装や祝福の意味を教えてくれて、街全体が一つになっているのを感じました。細部への誇りが伝わってきます。

豆知識

  • ス・コンポニドーリ(祭りの主役)は秘密の儀式で選ばれ、仮装中は地面に一切触れてはいけません(食事や休憩も馬上または高座で)。
  • 起源は15世紀以前とも言われています。
  • 白い仮面は純粋さと運命の神秘を象徴します。
  • ヨーロッパでも数少ない、女性が男性と同じ条件で出場できる馬上競技祭です。

開催日程

サ・サルティーリャは毎年カーニバル最終日曜と火曜に、サルデーニャ島オリスターノで開催されます。

開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。

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実際の様子

Tokyo

photo by Mattia Lai

Tokyo

photo by mchugoz


開催情報

名称 サルティリア祭
イタリア
エリア オリスターノ
開催時期 2026/02/14 - 2026/02/16
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