サッサリの騎馬行進
サルデーニャの誇りと美が躍動する伝統の祭典
2026/05/16
毎年5月、サルデーニャ島北部の都市サッサリは「カヴァルカータ・サルダ」の華やかな色彩と伝統の響きに包まれます。島中から3,000人以上の参加者が集い、村ごとに異なる民族衣装をまとって歴史ある街並みを練り歩き、サルデーニャ文化の“生きた博物館”が街全体に広がります。民俗文化や写真、地元のリアルな暮らしに興味がある方にとって、この祭りは五感を刺激し、忘れられない思い出になるはずです。
毎年5月の第3日曜日(年によっては第2日曜)に開催され、地元の人も観光客も一緒にサルデーニャの本当の魅力を体感できます。島の多様性や芸術性、そしておもてなしの心が一堂に会する、まさにサルデーニャ最大級の祭典です。
主な見どころ
大パレード
祭りの中心は、サッサリ旧市街を2キロ以上にわたって練り歩く壮大なパレード。3,000人以上が徒歩や馬に乗って村ごとに分かれて登場し、刺繍やレース、金銀細工のアクセサリー、伝統の帽子やスカーフなど、各地の衣装や装飾が一堂に会します。観客にはサルデーニャのパンやお菓子、旬の果物が振る舞われ、島の味と温もりも体感できます。
騎馬アクロバット(パリーリエ)
午後になると舞台はピンナ競馬場へ。サルデーニャ随一の騎手たちが、全速力で走る馬の上でアクロバティックな技を披露します。馬のひづめの音、観客の歓声、馬上で立ったり飛んだりするライダーの姿は、伝統とスリルが融合した圧巻の光景です。
伝統音楽と踊り
夜にはイタリア広場で伝統音楽と踊りの祭典が開催されます。島中から集まったフォークグループが、ラウネッダス(葦笛)や男性合唱テノーレ、アコーディオンの音色とともに舞台を彩ります。衣装の舞い、地元料理の香り、そして音楽が一体となり、誰もが参加できる温かい雰囲気に包まれます。
衣装と装飾
祭りはまさに目のごちそう。村ごとに刺繍やレース、鮮やかな帯や手織りのショール、重厚なアクセサリーなど、個性あふれる民族衣装が並びます。通りには花や旗が飾られ、牛車(トラッカス)には伝統の道具や花が美しく飾られ、祭りの華やかさを演出します。
伝統グルメ&ドリンク
パレード中にはサルデーニャのパンや焼き菓子、旬の果物が観客にふるまわれ、屋台やレストランではカリカリのパン・カラサウやペコリーノチーズ、はちみつをかけたセアダス(チーズ入り揚げ菓子)、コクのあるカンノナウワインなどが味わえます。焼きたてパンや肉、野草の香りが漂い、サルデーニャ流のおもてなしを堪能できます。
文化・歴史的背景
カヴァルカータ・サルダの起源は1711年、サッサリ市がスペイン王フェリペ5世を迎えるために行ったパレードにさかのぼります。現在の形は1899年、イタリア王室を迎えた際に始まり、以降サルデーニャ最大の世俗祭として発展。宗教色がない珍しい祭りで、島の誇りや多様性、職人技、食文化を一堂に披露する場となっています。
サルデーニャの人々にとってこの祭りは、アイデンティティや地域の絆を再確認し、世代や地域を超えて誇りを分かち合う特別な時間です。
参加者の声
ミラノから見に来ました。色彩、馬、料理…すべてが圧倒的。ヌオーロ出身の女性と話し、村の衣装の意味を教えてもらい、ショールも羽織らせてもらって記念写真まで撮れました。
豆知識
- 宗教色がない世俗祭である点もサルデーニャでは珍しい存在です。
- 騎馬アクロバット(パリーリエ)は祭りの名物で、馬上での妙技に歓声が上がります。
- 古代楽器ラウネッダスの音色が祭りのあちこちで響きます。
開催日程
カヴァルカータ・サルダは毎年5月中旬、サッサリ市で開催されます。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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