ガネーシャ誕生祭
歓喜と色彩、祈りが満ちる象の神様の10日間
2026/09/12 - 2026/09/21
毎年、モンスーンの雨が去る頃、インド――特にマハラシュトラ州――は「ガネーシュ・チャトゥルティ」の喜びに包まれます。象の頭を持つ愛される神様ガネーシャの誕生日を祝うこの祭りでは、10日間にわたり街や家庭が色鮮やかなガネーシャ像や太鼓、賛歌、そしてお香やお菓子、生花の香りで満ちあふれます。信仰心の厚い人も、文化体験を求める旅行者も、誰もがこの祭りの熱気と一体感に引き込まれることでしょう。
ガネーシュ・チャトゥルティはインド全土で祝われますが、特にムンバイやプネーでは壮大な規模で開催され、毎年8月または9月(ヒンドゥー暦バードラパダ月)に数百万人が集います。家族やアーティスト、旅行者、そしてガネーシャのご加護を願うすべての人が参加し、創造性あふれる祭壇やパレード、祝福を分かち合います。
主な見どころ
ガネーシャ像とパンダル(祭壇)
祭りの中心は、家庭や街角に設置されるガネーシャ像。手作りの小さな粘土像から、高さ6メートルを超える巨大なパブリック像までさまざまです。花輪や宝石、鮮やかなペイントで飾られた像が、マリーゴールドやライトに囲まれ、参拝客で賑わうパンダル(仮設祭壇)を訪ね歩くのも楽しみの一つ。伝統的なものからエコ志向の現代的デザインまで多彩です。
パレードとヴィサルジャン(像の水中送り)
祭りのクライマックスはヴィサルジャン(像の水中送り)です。ガネーシャ像が太鼓や踊り、色粉の舞う行列で川や湖、海へと運ばれます。「ガンパティ・バッパ・モリヤ!」の掛け声とともに、何千もの像が水面に浮かび、花火が夜空を彩る光景は圧巻です。
衣装と装飾
参拝者は鮮やかなサリーやクルタ、オレンジ色の衣装で着飾り、髪にジャスミンの花を飾る人も。パンダルはランゴリ(色粉アート)やライト、生花で美しく飾られ、サンダルウッドやお香の香りが漂います。粘土像や花びら、水の冷たさなど、触れる感覚も祭りの魅力です。
伝統菓子と料理
ガネーシュ・チャトゥルティに欠かせないのがモーダク(ココナッツと黒糖入りの蒸し団子)。ガネーシャの大好物とされ、他にもプランポリやラドゥ、キールなどの甘味がプラサード(お供え物)として振る舞われます。モーダクの甘く香ばしい香りやカルダモン、ギーの風味、みんなで囲む食卓の温かさも祭りの醍醐味です。
文化・歴史的背景
ガネーシュ・チャトゥルティの起源は何世紀も前にさかのぼりますが、19世紀末、独立運動家ティラクがイギリス統治下の団結を促すため大規模な公共祭として広めたことで、今のような盛大な形になりました。新たな始まりや創造性、コミュニティの絆の象徴とされ、ガネーシャは“障害を取り除く神”として、多くの人に希望と繁栄をもたらす存在です。
参加者の声
ムンバイ育ちの私にとって、ガネーシュ・チャトゥルティは街の心臓そのもの。毎年家族で粘土像を作り、ご近所とアールティやお菓子を分け合います。ヴィサルジャンの行列では、喜びと寂しさが入り混じった気持ちになります。
豆知識
- ムンバイだけで1万以上のパブリックパンダルと15万体超の家庭用ガネーシャ像が設置されます。
- ムンバイ最大のガネーシャ像は高さ7メートルを超え、制作に数か月かかります。
- 近年はエコ粘土や自然由来の塗料が主流になり、多くの地域で石膏や化学塗料が禁止されています。
- 「ガンパティ・バッパ・モリヤ!」という掛け声は「ガネーシャ万歳!」の意味で、祭り中どこでも響き渡ります。
開催日程
ガネーシュ・チャトゥルティは毎年8月または9月、特にマハラシュトラ州で盛大に祝われます。日程はヒンドゥー暦(バードラパダ月)に基づきます。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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