ブダペスト工芸職人フェスティバル
王宮で出会う手仕事と民俗の祝祭
2026/08/13 - 2026/08/16
毎年8月、ブダペストのブダ王宮は「工芸職人フェスティバル」の色彩と音、香りで満たされます。4日間にわたり、ハンガリー各地や海外から集まった数百人の職人たちが伝統工芸・音楽・料理を披露。“生きた博物館”のような空間で、何百年も受け継がれてきた手仕事を見て・触れて・味わい・体験できます。
城内を歩けば、鍛冶屋のリズム、糸車の音、フォーク音楽の旋律が響き、焼きたてパンやロースト肉、はちみつケーキの香りが漂います。刺繍リネンや木彫りのスプーンに触れ、五感すべてでハンガリー民俗文化の“生きた息吹”を感じられる祝祭です。
主な見どころ
職人デモンストレーション&ワークショップ
フェスの中心は活気あふれる職人マーケット。800人以上のクラフトマンがろくろで陶器を作り、織機で布を織り、木彫りや革細工、卵のペインティングを実演。多くのブースで陶芸や刺繍、キャンドル作りなどの体験もでき、自分だけの手作り土産も持ち帰れます。
フォーク音楽・ダンス・パレード
屋外ステージにはチンバロムやバイオリン、タンブーラの音色が響き、フォークバンドやダンスグループが伝統舞踊を披露。色鮮やかな衣装のダンサーと一緒に輪踊りやパレードに参加できるのも魅力。毎日、城内を練り歩くパレードは、民族衣装と音楽の“動くタペストリー”です。
伝統グルメ&フード
屋台ではラングシュ(揚げパン)、グヤーシュ、煙突ケーキ、はちみつケーキ、ロースト肉などハンガリーの味が並びます。パプリカや焼きたてパン、焼きソーセージの香りが漂い、地元ワインや果実シロップ、パーリンカ(果実ブランデー)は陶器や木のカップで提供され、素朴な雰囲気を盛り上げます。
文化・歴史的背景
ブダペスト工芸職人フェスティバルは、1987年にハンガリーの伝統工芸や民俗文化が急速な近代化やグローバル化の波に押されて消えつつあった時代に誕生しました。当時、多くの若者が都市に移り住み、手仕事や民芸の技術が次世代に伝わらない危機感が高まっていました。こうした背景から、首都ブダペストの象徴的な場所である世界遺産ブダ王宮を舞台に、ハンガリー全土や周辺国から職人たちが一堂に会し、伝統の技を実演し、一般の人々にも体験してもらう場を作ろうという動きが始まったのです。
初回から多くの職人や家族連れ、文化好きが集まり、陶芸や織物、木工、刺繍、皮細工、卵のペインティングなど、何百年も受け継がれてきた技法やデザインが披露されました。フェスティバルは年々規模を拡大し、今ではハンガリー国内はもちろん、スロバキアやルーマニア、セルビアなど近隣諸国の職人も参加。中庭や城壁を“村”やテーマごとに分け、各地の伝統文化や工芸の多様性を体感できるようになっています。
このフェスティバルは、単なる展示や販売の場ではなく、職人と来場者が直接交流し、子どもや若者がワークショップで手を動かし、体験を通じて“生きた伝統”を感じられることが最大の特徴です。ハンガリーの人々にとっては、誇りとアイデンティティを再確認し、家族や友人と夏の思い出を作る恒例行事。訪れる外国人にとっては、本物の民俗文化とクラフトマンシップに触れ、歴史と現代が交差する特別な体験となっています。
参加者の声
毎年子どもと一緒に来ています。卵のペイントやキャンドル作り、フォークダンス体験…子どもが自分のルーツに触れる最高の場です。
開催日程
ブダペスト工芸職人フェスティバルは毎年8月、ブダ王宮で開催。ワークショップやパレードに参加し、ハンガリー民俗の色・音・味に包まれる夏の思い出を作ってみてください。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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