復活祭のフェリア(アルルの祭り)

ローマ遺跡に響く春一番の喝采


2026/04/02 - 2026/04/05

毎年イースターの週末、南仏アルルの街は色彩と伝統、スペイン音楽のリズムであふれます。フェリア・ド・パックは、古代ローマの円形闘技場を中心に、4日間で5万人以上が集う春のカマルグ地方最大級の祭典。闘牛やパレード、プロヴァンスとスペイン文化が溶け合うこの祝祭は、地元の人も闘牛ファンも旅人も、歴史と音楽、歓喜が一体となる五感のフェスティバルです。

毎年イースター期間に開催されるこの祭りは、ローマ時代の円形闘技場や歴史地区を舞台に、家族連れも友人同士も、誰もが南仏の生きた伝統を体験できるオープンなイベントです。

主な見どころ

闘牛とカマルグ流牛競技

祭りの魂は、世界的なマタドールたちが金色の衣装で登場し、ローマ円形闘技場で繰り広げる闘牛。アルル名物の「コース・カマルゲーズ」は、牛を傷つけず、勇敢な若者(ラセトゥール)が角に付けたリボンを奪う南仏独自の競技。闘技場の熱気、ケープが舞う瞬間、観客の緊張感は一度体験したら忘れられません。

主なイベント

アブリヴァド(牛追い)は、カマルグの馬乗り(ガルディアン)が牛を街中へ導き、観衆が声援や時には一緒に走るスリリングな伝統。夜はペグラードパレードやコンサート、ボデガ(仮設バー)、ストリートパフォーマンスで街が音楽とフラメンコ、笑い声に包まれます。プロヴァンスの工芸市や夜空を彩る花火も必見です。

衣装と装飾

参加者は白パンツに赤いスカーフ、麦わら帽子が定番スタイル。マタドールやラセトゥールは刺繍入りの華やかな衣装、ガルディアンはカマルグ伝統の帽子や花柄シャツ、ブーツで馬にまたがります。街中は赤や黄色のバナー、牛のモチーフ、ガーランドで飾られ、どこもカラフルな祝祭空間に。

伝統グルメ&ドリンク

ボデガや屋台からは炭火焼きやガーリック、スパイスの香りが漂い、ガルディアンヌ・ド・トロ(牛肉の赤ワイン煮込み)、パエリア、タプナード、フォカッチャなど南仏料理が並びます。ロゼやサングリア、パスティスで乾杯し、ナヴェットやチュロスなど甘いおやつも大人気。知らない人とも肩を並べて食べ、友達になるのがこの祭りの醍醐味です。

文化・歴史的背景

フェリア・ド・パックの起源は1830年、アルジェ遠征の勝利を祝って修復された円形闘技場で初めて闘牛が行われたことに始まります。現在のフェリア形式は1952年、地元の英雄ピエール・プーリーが闘技場のディレクターとなり、イースターの祭典としてスペイン式闘牛とカマルグ伝統の融合を打ち出したのがきっかけです。

今ではプロヴァンスの誇りとスペイン文化、カマルグの独自性が融合した象徴的な春祭り。地元の人にとっては闘牛シーズンの幕開けであり、春の訪れをみんなで祝う大切な時間です。

参加者の声

パリから旅行で来ました。アブリヴァドは本当に迫力満点!最初の牛が闘技場に入る瞬間、観客が静まり返り、その後大歓声が巻き起こる。馬も牛も人も一緒に駆け抜けて、夜はフラメンコやパエリアで大盛り上がりでした。絶対また来たいです。

豆知識

  • アルルのローマ円形闘技場は1世紀建造で約1万6千人収容、フェリア期間は「闘牛場」に変身します。
  • アブリヴァドはカマルグ地方独特の伝統で、牛と馬乗りが街を練り歩き、地元の若者が牛を止めようと挑みます。
  • コース・カマルゲーズは牛を傷つけない競技で、牛が“地元の英雄”になることも。
  • 秋にはカマルグ米の収穫を祝う「ライス・フェリア」も開催されます。

開催日程

フェリア・ド・パックは毎年イースター期間、アルルで開催されます。

開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。

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実際の様子

Tokyo

photo by Monica Mongelli


開催情報

名称 復活祭のフェリア(アルルの祭り)
フランス
エリア アルル
開催時期 2026/04/02 - 2026/04/05
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