アフマド・アルバダウィーの預言者生誕祭(マウリド)
信仰と熱狂が渦巻くエジプト最大のスーフィー巡礼祭
2026/09/29 - 2026/10/06
毎年10月、ナイルデルタの都市タンタは「アフマド・アル=バダウィー聖者生誕祭(ムーリド)」の熱気に包まれます。1週間にわたり、200万人以上の巡礼者やスーフィー教団、好奇心旺盛な旅人が13世紀の聖者を称え、街を埋め尽くします。太鼓や祈りの歌、香や屋台グルメの香りが夜通し漂い、タンタの街は信仰と祝祭のエネルギーで満ちあふれます。精神的な高揚やエジプトの生きた伝統を体験したい人にとって、このムーリドは五感で味わう“奇跡の一週間”です。
人波のなかに響くドラム、緑の帯や刺繍ローブのきらめき、焼きナッツやハチミツ菓子の甘い香り、数千人が聖者廟を囲んで祈り踊る熱気…。タンタはこの一週間、エジプト・スーフィーの魂そのものになります。
主な見どころ
大行進とズィクル儀礼
祭りのハイライトはスーフィー教団(タリーカ)による大行進。旗や太鼓、フルートを手にタンタの街を練り歩き、祈りと祝福の歌声が響きます。昼夜を問わず、聖者廟やその周辺ではズィクル(神の名を唱える儀式)が続き、回転舞踊やトランス状態の祈りが街を包みます。音楽と信仰、奇跡への希望が空気を震わせます。
屋台とカーニバルの賑わい
聖者廟周辺の通りは巨大な縁日と化し、スイーツや焼きナッツ、玩具やお守り、スーフィーグッズの屋台が並びます。香やランタン、値切り交渉の声が夜通し絶えません。
衣装と装飾
巡礼者やスーフィー信者は、流れるようなローブや預言者の家系を象徴する緑の帯、白いターバンで身を包みます。祈りの言葉が書かれたバナーやランタン、織物が聖者廟と街を彩り、信仰と祝祭のタペストリーを織りなします。
文化・歴史的背景
アフマド・アル=バダウィー聖者生誕祭は13世紀、タンタにアフマド・アル=バダウィー聖者がアフマディーヤ教団を創設したことに由来します。彼の廟は巡礼地となり、生誕を祝うムーリドはエジプト最大のスーフィー祭へと発展。イスラム信仰、スーフィー神秘主義、庶民文化が融合し、魂の浄化や共同体の絆、伝統継承の場として今も多くの人に大切にされています。多くのエジプト人にとって、ムーリドへの参加は一年の祝福と信仰の証です。
現代のムーリドは、エジプトの宗教的多様性とスーフィー遺産を象徴し、信仰や祝祭の喜びを分かち合う場となっています。
参加者の声
観光で訪れましたが、現地の人のもてなしに驚きました。テントで一緒に食事をし、全国から来た巡礼者からスーフィーの伝統を教わりました。
豆知識
- アフマド・アル=バダウィー聖者生誕祭には毎年200万人以上が訪れ、エジプト最大の宗教祭となっている。
- 祭りは1週間続き、聖者の誕生日に最も近い木曜夜がクライマックス。
- 多くの巡礼者がテントや野宿で過ごし、廟周辺は“仮設都市”と化す。
開催日程
アフマド・アル=バダウィー聖者生誕祭は毎年10月、エジプト・タンタで開催。巡礼者の熱気と儀式、祝祭の光景に包まれ、エジプト最大のスーフィー祭の魂を体感してみてください。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
開催情報
| 名称 | アフマド・アルバダウィーの預言者生誕祭(マウリド) |
| 国 | エジプト |
| エリア | タンタ |
| 開催時期 | 2026/09/29 - 2026/10/06 |
| リンク |
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