サルバドールのカーニバル

バイーアの鼓動が響く世界最大のストリートフェス


2026/02/11 - 2026/02/17

毎年2月、ブラジル・バイーア州の州都サルヴァドールは、1週間にわたる熱狂のカーニバルで街全体が躍動します。サルヴァドールのカーニバルは「世界最大のストリートパーティー」とも呼ばれ、200万人以上の人々がコロニアルな街並みや大西洋沿いの大通りを埋め尽くし、踊り、歌い、パレードに参加します。アシェー音楽のリズム、アカラジェを揚げる香ばしい匂い、太陽で温まった石畳の感触――五感すべてでこの祭りを体験できます。

メイン会場は有名なバーハ=オンジーナ沿いのルートですが、サルヴァドール市内の至る所でイベントが開催され、地元の家族から世界中の旅行者、音楽好きまで誰もが歓迎されます。アフリカ、先住民、ポルトガルの伝統が融合した、ここでしか味わえないブラジルの“魂”を感じたいなら、サルヴァドールのカーニバルは必見です。

主な見どころ

トリオ・エレトリコのパレード

サルヴァドール・カーニバルの象徴は「トリオ・エレトリコ」と呼ばれる巨大な音響トラック。生バンドや歌手を乗せたトラックが市内のメインルートをゆっくり進み、その周りを“ピポカ(ポップコーン)”と呼ばれる大群衆が踊りながら追いかけます。アシェーやサンバ・ヘギ、ポップスが大音量で鳴り響き、体全体で音楽の振動を感じ、紙吹雪やカラーパウダーが舞う中で踊る体験は圧巻です。

ブロッコ&カマロッチ

トリオ・エレトリコの近くでパレードに参加したいなら、ブロッコ(専用Tシャツ“アバダー”購入で入場)に参加するのがおすすめ。特設のカマロッチ(有料観覧席)からは、オープンバーやグルメ、パレードを見下ろす特等席が楽しめます。どちらも活気と笑い、トロピカルカクテルや日焼け止めの香りに包まれています。

衣装と装飾

衣装はシンプルなTシャツやショーツから、オリシャ(アフロ系神々)や民間伝承、ポップカルチャーをテーマにしたきらびやかな仮装まで多彩。ビーズのネックレスやフェイスペイント、花冠も人気。街中はバイーアカラー(黄・緑・青・白)のバナーやバルーンで飾られ、太陽光がスパンコールやメタリック生地に反射します。汗やグリッター、時折かかる水しぶきもサルヴァドール・カーニバルならではの体験です。

伝統グルメ&ドリンク

屋台グルメは欠かせません。アカラジェ(黒目豆の揚げ団子・エビ入り)、ムケッカ(魚介の煮込み)、焼きチーズ串、ココナッツのコカーダなどが人気。冷たいカイピリーニャやビール、ココナッツウォーターも定番で、デンデ油や焼き肉、トロピカルフルーツの香りが潮風と混ざり合います。

文化・歴史的背景

サルヴァドール・カーニバルの歴史は、16世紀にポルトガル人がブラジルにもたらした「エントゥルード」と呼ばれる四旬節前の祭りに始まります。当時のエントゥルードは水や香水、小麦粉などを掛け合う無礼講の祝祭で、植民地時代のサルヴァドールでも盛んに行われていました。やがて、アフリカから連れてこられた奴隷たちが持ち込んだ宗教儀式や音楽、ダンス、衣装がこの祭りと融合し、さらに先住民の伝統も加わることで、バイーア独自の多文化的なカーニバルへと発展していきました。

19世紀末から20世紀初頭にかけて、サルヴァドールのカーニバルは市民の間でますます大規模になり、パレードや仮装、音楽隊が街を練り歩くスタイルが定着します。1950年、地元ミュージシャンのドドーとオズマールが「トリオ・エレトリコ(音響機材を積んだトラック)」を発明し、これがカーニバルの象徴的存在となりました。トリオ・エレトリコの登場によって、音楽とダンスが街中を移動しながら楽しめる“動く音楽フェス”として、世界最大級のストリートカーニバルへと進化しました。

現在のサルヴァドール・カーニバルは、アフリカ系住民の伝統やアイデンティティを誇りとする場であり、オロドゥンやイレ・アイエといったアフロ系ブロッコのドラムと歌声が、バイーア文化の象徴として世界に発信されています。また、カーニバルは社会階層や人種の壁を越えて誰もが一体となる特別な時間であり、祖先への敬意やコミュニティの絆、自分らしさを表現する場として、サルヴァドールの人々にとってかけがえのない存在となっています。

参加者の声

カーニバルのためにフランスから来ました。アバダーを買って友達とブロッコに参加。音楽が骨まで響くほど大音量で、人もとてもフレンドリー。初めて食べたアカラジェはスパイシーだけど絶品でした!

豆知識

  • サルヴァドールのカーニバルはギネス記録で「世界最大のストリートパーティー」と認定されており、1日あたり200万人以上が参加。
  • トリオ・エレトリコは1950年、音楽家ドドー&オズマールによってサルヴァドールで発明された。
  • パレードルートは総延長25km以上に及ぶ。
  • オロドゥンなど一部のブロッコは世界的に有名で、マイケル・ジャクソンやポール・サイモンとも共演経験あり。

開催日程

サルヴァドールのカーニバルは毎年2月または3月にバイーア州サルヴァドール市内各地で開催。

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実際の様子

Tokyo

photo by southlondonsoul

Tokyo

photo by Simon McManus


開催情報

名称 サルバドールのカーニバル
ブラジル
エリア サルバドール・ダ・バイーア
開催時期 2026/02/11 - 2026/02/17
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