香寺(パフュームパゴダ)祭り
祈りと春の息吹が満ちるベトナム最大の巡礼祭
2026/02/24 - 2026/04/19
春になると、ハノイ南西の石灰岩の山々に囲まれたフオンソン(香山)は、ベトナム最大級の仏教巡礼「香寺(パフュームパゴダ)祭り」で活気に包まれます。旧暦1月6日から3月末まで、数十万人の巡礼者や旅行者が船や徒歩、石段を上り、幸運や健康、心の浄化を願ってこの聖地を目指します。信仰者はもちろん、自然や文化体験を求める人にも、五感と心を揺さぶる特別な春の旅です。
旅そのものが非日常。地元女性が漕ぐ木舟でイエン川を進むと、野花や線香、春の湿った空気が香り、鐘や読経の音が岩壁にこだまします。祭りの中心・フオンティック洞窟では、参拝者がろうそくを灯し、供物を捧げ、願い石に触れて新年の幸運や子宝、繁栄を祈ります。
主な見どころ
巡礼の旅:舟下りと山道トレッキング
祭りはドゥック船着き場からスタート。伝統的な木舟に乗り、地元女性の櫂さばきで約1時間イエン川を遡ります。川沿いには野花や水田、奇岩が続き、途中のチン祠では旅の安全を祈願。美しい橋や祠を眺めつつ、ティエントゥ船着き場で下船します。
祈りの儀式と聖なる洞窟
ティエントゥ寺(天厨寺)で線香を手向けた後、石段を登ってザイオアン寺や「清めの井戸」へ。ハイライトは巨大なフオンティック洞窟。鍾乳石や祭壇、線香の香りに満ちた洞窟内で、子宝や富、健康を願って「息子の山」「娘の山」「金銀の木」などに触れると願いが叶うと信じられています。
龍舞・民俗芸能・書道体験
初日のチン祠では迫力の龍舞が披露され、音楽や民俗遊び、書道パフォーマンスも楽しめます。期間中は精進料理や祈願札の販売、地元芸能のステージもあり、伝統と芸術が融合した春の祝祭空間が広がります。
衣装とデコレーション
巡礼者や僧侶はカラフルなアオザイや法衣、タスキ姿で、寺や祠は果物や花、提灯、旗で華やかに飾られます。舟にも花や祈願旗が結ばれ、全体が春らしい華やかな雰囲気に包まれます。
文化・歴史的背景
香寺(パフュームパゴダ)一帯は15世紀には既に仏教の聖地として知られ、伝説では2000年以上前に修行僧が発見したと伝わります。祭りは仏教の聖女ディエウ・ティエン姫の修行と悟りを讃え、春の巡礼で幸運や厄除け、心身の浄化を願うベトナムの伝統に根ざしています。
ベトナム仏教徒にとって香寺は「仏の天国」とも呼ばれ、願いが叶う特別な場所。家族や仲間と集い、自然と文化、信仰が一体となる春の大切な年中行事です。
参加者の声
仏教徒でなくても、祭りのエネルギーと景色は圧巻。龍舞や屋台グルメ、人々の熱気にベトナム文化の奥深さを感じました。イエン川を舟で遡る体験はまるで夢。霧の中、鳥のさえずりや山々の景色に包まれて、洞窟での祈りは心に残る体験でした。
豆知識
- 香寺祭りはベトナム最大の仏教巡礼祭で、毎年数十万人が訪れる。
- 最も混雑するのは旧暦2月15〜20日、主要な儀式が集中。
- フオンティック洞窟の鍾乳石に触れると子宝や金運など願いが叶うと信じられている。
開催日程
香寺祭りは毎年、ハノイから南西約70kmのフオンソン(ミードゥック県)香寺一帯で開催。メイン期間に訪れて川と山を巡る巡礼路を辿れば、ベトナム最大の春の祈りと自然の祝祭を体感できます。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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