ホイアン・ランタン祭り

古都の川辺に灯る幻想の夜


2026/01/02

毎月、満月の夜になると、ベトナム中部の世界遺産都市ホイアンは「ランタン祭り」で幻想的な光に包まれます。ホイアン旧市街とトゥボン川沿いが舞台となり、地元の人も旅人も家族連れも、色とりどりのランタンと伝統、そして心温まる一体感を味わいに集まります。ランタンの灯りに照らされた路地を歩き、願いを込めて灯籠を川に流す体験は、ベトナムで最も詩的な夜のひとときです。

電灯が消され、何千ものシルクランタンが灯ると、街にはフォークソングや笑い声、線香や屋台料理の香りが漂います。川面に浮かぶ灯籠の光、旧市街のあちこちで繰り広げられる色彩と希望、そして人々のつながりが、この祭りを特別なものにしています。

主な見どころ

トゥボン川の灯籠流し

この祭りの中心は、トゥボン川への灯籠流し。地元の人も観光客も小さなカラフルな灯籠を買い、願いを込めてそっと川に流します。何百もの灯りが川面を漂う光景は、幸運や平和、幸福を呼ぶとされ、思わず息を飲む美しさです。

ランタンパレード&旧市街の散策

日没とともに旧市街は歩行者天国となり、さまざまな形や色のランタンを手にした人々で賑わいます。子どもも大人も参加するランタンパレードが町を練り歩き、日本橋や寺院も繊細なランタンで飾られ、街全体がやわらかな光に包まれます。

伝統遊び・パフォーマンス・クラフト体験

夜になると、川沿いや路地で伝統的な民俗遊び(目隠し壺割りやバイチョイ=音楽ビンゴ)や、音楽・詩の朗読・舞踊などが次々と披露されます。ランタン作りのワークショップも人気で、旅の思い出に自作ランタンを持ち帰ることもできます。

衣装とデコレーション

多くの人がアオザイや華やかな衣装で参加し、祭りの雰囲気を盛り上げます。街中にはシルクや紙のランタンがあらゆる色や形(ドラゴン、蝶、蓮の花など)で飾られ、寺院や集会所もランタンアートで彩られます。古い町並みとランタンの光が絶妙に調和します。

伝統グルメ&ドリンク

川沿いの屋台には、ホイアン名物のカオラウ麺やホワイトローズ餃子、月餅などが並びます。焼き豚やハーブ、もち米の香りが夜風に混じり、サトウキビジュースや蓮茶などのローカルドリンクも楽しめます。ランタンの灯りの下で味わう屋台グルメは格別です。

文化・歴史的背景

ホイアン・ランタン祭りの起源は16世紀から17世紀、ホイアンが国際的な貿易港として栄えた時代にさかのぼります。当時、中国や日本の商人たちが自宅の前にランタンを飾る習慣を持ち込み、地元の人々もこれに倣い、幸運や幸福を願ってランタンを灯すようになりました。特に日本人が持ち込んだ様々な形のランタンは、ホイアンの町並みや家庭に独自の彩りを加え、やがてランタン作りは家業や祭事、祝いごとの定番となっていきました。

この伝統は、仏教の満月信仰や祖先崇拝と融合し、満月の夜に先祖に祈りや願いを込めてランタンを灯す習慣へと発展しました。ランタンは「導き」「幸運」「邪気払い」の象徴であり、家族の繁栄や平和、幸福を願う心が込められています。また、ホイアンのランタンは人と自然、空と大地の調和を表し、町の伝統工芸としても大切に受け継がれています。

1988年、地元当局が毎月の満月の夜に電灯を消し、ランタンの灯りだけで町を照らす「ランタン祭り」を公式に始めました。以降、ランタン祭りは地元住民にとって精神性・コミュニティ・職人技が融合する大切な文化遺産となり、家族や町の絆、自然との調和を祝う夜として現代まで続いています。

参加者の声

ホイアンのランタン祭りほど幻想的な夜は初めて。川沿いを歩き、ランタンと音楽に包まれると夢の中にいるよう。願いを込めて灯籠を流した瞬間、心が静かに満たされました。

豆知識

  • 祭りの夜、旧市街の電灯は全て消され、ランタンと月明かりだけで街が照らされる。
  • 音楽ビンゴ「バイチョイ」はユネスコ無形文化遺産に登録されている。
  • ホイアンのランタンは竹とシルクで作られ、ベトナム文化では強さと優美さの象徴。

開催日程

ホイアン・ランタン祭りは毎月旧暦14日、ホイアン旧市街とトゥボン川・ホアイ川沿いで開催。日没前からランタン作り体験や川沿いの散策を楽しみ、夜には願いを込めて灯籠を流す幻想的なひとときをぜひ体感してください。

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実際の様子


開催情報

名称 ホイアン・ランタン祭り
ベトナム
エリア ホイアン
開催時期 2026/01/02
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