レデントーロ祭
光と祈り、ヴェネツィアの夜を彩る水上の祝祭
2026/07/17 - 2026/07/18
毎年7月、ヴェネツィアの街は「レデントーレ祭」の魔法に包まれます。運河には華やかに飾られた船が浮かび、バジルや焼き魚の香りが漂い、夜空には色とりどりの花火がラグーンに映えて咲き誇ります。信仰と夏の喜びが融合するこの週末、ヴェネツィアならではの美しさと熱気を全身で味わえる特別な体験です。
毎年7月第3週末に開催され、地元の家族や友人、旅行者まで誰もが参加できる開かれた祝祭。困難を乗り越えた感謝とコミュニティの絆、そして人生の美しさを祝う、星空の下のヴェネツィアらしい夜です。
主な見どころ
浮橋と巡礼
祭りの中心は、ジュデッカ運河に架けられる仮設の浮橋。ヴェネツィア本島とジュデッカ島のレデントーレ教会を結び、地元の人々や巡礼者がキャンドルを手に歩き、白亜の教会で祈りを捧げます。水上に揺れる橋の感触、柔らかな灯り、鐘の音が心に響く静かなひとときです。
船上パーティーと運河の晩餐
夕暮れになると、ランタンやリボンで飾られた何百もの船がサン・マルコ湾に集結。家族や友人が手作りの料理を持ち寄り、イワシのマリネやイカ墨リゾット、焼き魚、冷えたプロセッコで乾杯。笑い声やグラスの音、魚介やバジル、柑橘の香りが夜風に溶け、運河の水面もランタンでキラキラと輝きます。
花火のスペクタクル
深夜0時、ラグーンの夜空にイタリア屈指の大花火大会が打ち上げられます。ドームや鐘楼の上に広がる色と光、そして水面に映る幻想的な景色。花火の轟音と観客の歓声、火薬と潮風の香りが五感を刺激し、多くの人が朝まで歌い踊りながら祝祭を楽しみます。
装飾と衣装
仮装カーニバルではありませんが、船にはリボンや花が飾られ、テーブルにはリネンやヴェネツィアングラスが並びます。レデントーレ教会のドームが夜空に浮かび、子どもたちは花冠をかぶり、大人たちも夏らしい装いで華やかさを添えます。石畳のひんやりした感触やリネンの柔らかさ、水辺のそよ風も祭りの一部です。
伝統グルメ&ドリンク
レデントーレ祭は食の祭りでもあります。甘酸っぱいイワシ料理「サルデ・イン・サオール」やバカラ(干しダラ)のペースト、ポレンタ、魚介料理が並び、プロセッコや地元ワインが振る舞われます。バッソライ(バタークッキー)やフリッテッレ(揚げ菓子)などのデザートも人気で、バジルやレモン、焼き魚の香りが夏の夜を彩ります。
文化・歴史的背景
レデントーレ祭は1577年、大疫病から救われたことへの感謝として始まりました。元老院が「救済者の教会(レデントーレ教会)」建立を誓い、以来毎年、信仰と感謝を込めて祝われています。アンドレア・パッラーディオ設計の教会は希望と復興の象徴であり、この祭りは困難を乗り越えたヴェネツィアの誇りと絆を今に伝えます。
現代では、厳かな巡礼と賑やかなパーティーが共存し、世代を超えてヴェネツィアの人々を結びつける特別な夏の一夜となっています。
参加者の声
夕暮れの浮橋をキャンドルと音楽に包まれて歩くと、何世紀ものヴェネツィアの歴史とつながる気がしました。ラグーンに咲く花火は感動で涙が出るほど。1年で一番美しい夜です。
豆知識
- 浮橋の長さは330メートル以上、祭りのためだけに設置され、終了後すぐに撤去されます。
- 花火の絶景スポットは1年前からボートで“場所取り”する人も多いとか。
- レデントーレ教会は建築家アンドレア・パッラーディオの設計です。
- 祭りで食べるバッソライ(バタークッキー)は“翌年の幸運”を呼ぶと言われています。
開催日程
レデントーレ祭は毎年7月第3週末、イタリア・ヴェネツィアで開催されます。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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