トマティーナ

世界が真っ赤に染まる“トマトの大乱闘”


2026/08/25

毎年8月、スペインの小さな町ブニョールは、世界最大級のトマト祭り「ラ・トマティーナ」の舞台となります。わずか1時間の間に10万キロを超える完熟トマトが投げ合われ、町中が真っ赤なパルプと笑い声、熱気に包まれます。スリルを求める人も、スペインの陽気な伝統を体感したい人も、五感で楽しめる“人生で一度は体験したい”お祭りです。

開催は毎年8月最終水曜日。誰でも参加OK!地元の人も世界中の旅行者も、年齢や国籍を超えてトマトまみれになりながら、思いきり非日常を楽しみます。

主な見どころ

トマト合戦

ラ・トマティーナの主役は、やはり壮絶なトマト投げ合戦。午前11時、合図の大砲とともに5台の大型トラックから10万キロ超のトマトが一気に街へ放出され、あたりは一瞬でトマトの香りと赤い川に包まれます。手に取ったトマトを握りつぶして投げ合い、老若男女が笑顔で真っ赤に染まる1時間。言葉も国境も関係なく、みんなが“トマトの海”でひとつになります。合戦前後はバルでビールやサングリア、スペインの軽食が定番。パエリアやトルティージャ、ボカディージョ(サンドイッチ)で腹ごしらえする人も多く、トマトの酸味と汗、サングリアの甘さが混ざる夏の味わいです。

主なイベント

朝はスペイン産生ハムが掲げられた“パロ・ハボン(グリースポール)”登りからスタート。誰かがてっぺんのハムを取るまで挑戦が続き、観客の大歓声が響きます(実際は合図でトマト合戦が始まります)。終了後は消防車の放水で町も人も一気にクリーンアップ。祭りの週はコンサートやパレード、パエリア大会なども開催され、町全体が祝祭ムードに包まれます。

衣装

参加者の多くは古Tシャツや短パン、ゴーグル姿ですが、トマト柄の帽子やヒーローコスチューム、チームお揃いのTシャツなど個性派も多数。町にはバナーや旗、ビニールシートが張られ、昼には全員が赤いパルプまみれで誰が誰だかわからないほどに!

文化・歴史的背景

ラ・トマティーナの起源は1945年、スペイン・ブニョールの守護聖人「聖ルイス」を祝う祭りの最中に起きた偶発的な事件にさかのぼります。パレードに参加していた若者たちがケンカを始め、近くの八百屋に並んでいたトマトを手当たり次第に投げ合ったことがきっかけでした。この出来事が面白がられ、翌年以降も町の若者たちがトマトを持ち寄って投げ合うようになり、自然発生的に毎年恒例の行事となっていきました。

1950年代には一時警察によって禁止されることもありましたが、住民の強い要望で復活。1959年には正式にルールが定められ、祭りとして公認されるようになりました。1975年からは町がトマトを用意し、1980年以降はブニョール市役所が主催する国際的なイベントへと発展。2013年以降は参加者の急増を受けてチケット制・人数制限が導入され、今では世界中から2万人以上が集まる一大イベントとなっています。

ラ・トマティーナは、偶然から生まれた“ケンカ騒ぎ”が町の象徴的な祝祭へと昇華した、ユニークな歴史を持つスペインの代表的なお祭りです。地元住民にとってはコミュニティの誇りであり、豊作や平和、町の絆を祝う日として親しまれています。

参加者の声

オーストラリアからこのために飛んできました。人生でこんなに笑ったのは初めて!全身トマトまみれで、1時間で5カ国の友達ができました。世界にこんな祭り、他にありません!

豆知識

  • 毎年10万キロ(22万ポンド)以上のトマトが使用され、市販できない完熟トマトだけが使われます。
  • 安全のため参加者は2万人に制限され、全員チケット制です。
  • トマトのクエン酸効果で、祭り後は町がピカピカに!
  • コロンビアや中国、アメリカなど世界各地で“トマティーナ風”イベントが誕生しています。
  • ケガ防止のため、投げる前にトマトを手でつぶすのが地元流。

開催日程

ラ・トマティーナは毎年8月最終水曜日、バレンシア州ブニョールで開催。

開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。

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実際の様子

Tokyo

photo by shortCHINESEguy

Tokyo

photo by Łukasz Lech

Tokyo

photo by James OBrien II


開催情報

名称 トマティーナ
スペイン
エリア バレンシア, ブニョール地区
開催時期 2026/08/25
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