アート・ジーン・フェスティバル
音楽と手仕事、伝統が息づくジョージアの夏
2026/07/11 - 2026/07/18
毎年夏、トビリシの野外民族博物館が「アート・ジーン・フェスティバル」の舞台となり、ジョージア各地の文化が一堂に会します。7月の1週間、木々の木陰の下で多声音楽や伝統楽器の音色、家族連れの笑い声が響き、職人たちの屋台が並ぶ空間は活気と温もりに包まれます。地方ごとの多様な伝統や民俗芸能、郷土の味を五感で楽しめる、まさに“生きたジョージア”を体感できるイベントです。
アート・ジーンは毎年7月中旬に開催され、家族連れはもちろん、音楽やアート好き、ジョージア文化に興味がある人なら誰でも楽しめます。スヴァン地方の合唱や手作りのチュルチヘラ、伝統舞踊のワークショップなど、どれもジョージアの“今”と“昔”が交差する特別な時間です。
主な見どころ
民謡・民族舞踊パフォーマンス
メインステージではカヘティ、スヴァネティ、アジャラなど各地方の民謡団や舞踊団が次々と登場。ジョージア独特の多声音楽や太鼓のリズム、カラフルな民族衣装のダンスが観客を魅了します。地域ごとの音楽や踊りに込められた物語やエネルギーが、会場全体を巻き込みます。
職人市と伝統工芸体験
手織りのカーペットや木彫り、陶芸、銀細工などの屋台が並び、ミツロウや焼きたてパンの香りが漂います。職人による羊毛紡ぎやイコン画、ナイフ作りの実演も見どころ。来場者もフェルト作りや仮面の絵付けなどに挑戦でき、手触りや技の奥深さを体感できます。
主なイベント
コンサートやワークショップのほか、野外映画上映、人形劇や木陰での昔話会も人気。地方グルメの試食や料理コンテスト、夜遅くまで続く即興セッションもフェスの醍醐味です。また、アート・ジーンはトビリシだけでなく地方の村々でも開催され、ジョージア全土に伝統の輪が広がります。
衣装と装飾
出演者や職人たちは、刺繍が美しい民族衣装やカートリッジベルト付きのチョハ、パパハ(羊毛帽)などを身に着けます。会場はカラフルなバナーや手織りのラグ、野の花で飾られ、ウールや銀細工、木や革の香りや手触りも印象的です。
伝統グルメ&ドリンク
屋台ではヒンカリ(水餃子)、ムチャディ(とうもろこしパン)、燻製チーズ、はちみつ、新鮮な果物など地方色豊かな味が並びます。焼き肉やハーブ、チュルチヘラ(くるみ入りぶどうキャンディ)の甘い香りが漂い、自家製ワインやチャチャ(葡萄の蒸留酒)もふるまわれます。どの食卓も、ジョージアの豊かな恵みへの感謝にあふれています。
文化・歴史的背景
アート・ジーン・フェスティバルは、急速な都市化やグローバル化によって失われつつあったジョージアの地方文化や民俗芸能を守り、次世代へ伝えるために、2004年に音楽家や民族学者、文化活動家たちによって始まりました。当時、都市に住む多くの若者が、祖先の村に伝わる歌や工芸、風習から遠ざかっていたことが課題となっていました。創設者たちは、音楽・工芸・農村文化を一体で体験できる場を作り、人々が自らのルーツや地域の多様性を再発見できるフェスティバルを目指しました。
初年度からトビリシの野外民族博物館を会場に、アート・ジーンは全国各地のパフォーマンスや工芸を紹介し、年長者が若い世代に技や知恵を伝えるワークショップも開催してきました。やがてトビリシだけでなく地方の村々でもサテライトイベントが行われるようになり、全国規模で伝統文化の再生ネットワークが築かれています。今では毎年数千人が参加し、祖父母が孫に歌や技を伝え、職人が手仕事を披露し、ジョージア各地の多様性と誇りが国内外に発信される“生きた文化遺産”として認知されています。
参加者の声
ドイツからの旅行中に偶然アート・ジーンに出会いました。ヒンカリを食べ、音楽に耳を傾け、木工職人と話しながら伝統のおもちゃ作りを体験。旅で一番“本物のジョージア”を感じた日でした。
豆知識
- 「アート・ジーン」は“文化の遺伝子”=世代を超えて受け継がれる伝統という意味を込めて名付けられた。
開催日程
アート・ジーン・フェスティバルは毎年7月、トビリシの野外民族博物館で開催され、各地の村でもサテライトイベントが行われます。
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