タルボラーダ(太鼓祭り)
太鼓の轟きが街を揺らすサン・セバスティアンの祭典
2026/01/19
毎年1月、バスク地方サン・セバスティアン(ドノスティア)の街は、24時間絶え間なく響く太鼓の音に包まれます。「ラ・タンボラーダ」は、リズムと伝統、そして市民の一体感が頂点に達する祭り。1月20日午前0時、街の中心に太鼓の音が鳴り響き、眠らない一日が始まります。音楽やスペクタクル、みんなで盛り上がるお祭りが好きな人には、心も体も揺さぶられる体験です。
毎年1月20日に開催され、地元の人も観光客も年齢問わず大歓迎。太鼓のリズム、カラフルなパレード、バスク料理の味わい…サン・セバスティアンの文化と温かさを全身で感じたい人におすすめの祭りです。
主な見どころ
真夜中の太鼓パレード
祭りは真夜中、コンスティトゥシオン広場で市旗が掲げられ、最初の太鼓が鳴り響く瞬間からスタート。150以上の「タンボラーダ」と呼ばれる太鼓隊が、兵士やコック姿で街を行進し、力強いリズムを響かせます。総勢1万5千人以上が一斉に太鼓を叩くその迫力は圧巻。観客も一緒に踊り、街全体がエネルギーに満ちあふれます。
主なイベント
祭り当日は、旧市街を中心に様々なパレードが行われ、それぞれ独自の衣装や振り付けが楽しめます。午前中には子どもたちによる「子どもタンボラーダ」もあり、5,000人以上の小学生が誇らしげに太鼓を叩きながら行進。夜には市旗が降ろされ、最後の大合奏でフィナーレを迎えます。
衣装と装飾
参加者はナポレオン時代風の兵士(青いジャケットや白パンツ、羽飾り付き帽子)や、バスクのコック姿(エプロンやコック帽、木製スプーンで太鼓を叩く)で登場。街には旗やバナー、イルミネーションが飾られ、バルやレストランからは焼き魚やパンの香りが漂い、海の潮風と混じり合います。
伝統グルメ&ドリンク
ラ・タンボラーダはグルメも魅力。地元の「ガストロノミック・ソサエティ(会員制食堂)」では、バスク名物のバカラオ・アル・ピルピル(タラのガーリックソース煮)、分厚い牛ステーキ「チュレタ」、ピンチョス(小皿料理)、イディアサバルチーズなどが振る舞われます。チャコリ(白ワイン)やシードルも定番で、デザートにはパンチネタ(アーモンドクリーム入りペストリー)も人気です。
文化・歴史的背景
ラ・タンボラーダの起源は19世紀初頭、フランス軍がサン・セバスティアンを占領していた時代にさかのぼります。市民が兵士のパレードをまねて樽やバケツを叩いたのが始まりとされ、やがて誇り高い伝統行事へと発展。1836年に最初の公式タンボラーダが開催され、今ではバスクのアイデンティティと団結、そして歴史を祝う祭りとして受け継がれています。
サン・セバスティアンの人々にとって、ラ・タンボラーダは単なるお祭りではなく、“自分たちの街”を誇る日。家族や友人、隣人と再会し、世代を超えて伝統のリズムを受け継ぐ大切な時間です。
参加者の声
ラ・タンボラーダの噂は聞いていたけど、真夜中の太鼓の迫力は想像以上。街全体が振動し、見知らぬ人とも一緒に踊って、まるで自分もドノスティア市民になった気分でした
豆知識
- 祭りは1月20日午前0時から24時間ぴったり続きます。
- バスクの会員制食堂(ソサエティ)が祭りの食文化を支えています。
開催日程
ラ・タンボラーダは毎年1月20日、サン・セバスティアンで開催。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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