ブドウの大合戦

スペインの田舎で繰り広げられる“ぶどうの大乱戦”


2026/08/28

毎年8月、スペイン・バレンシア州の小さな町ポブラ・デル・ドゥクは、ラ・グラン・バタージャ・デ・ライム(ぶどうの大乱戦)で一面が紫色に染まります。何千人もの人々が町の中心に集まり、熟したぶどうを投げ合うこの祭りは、収穫とコミュニティ、そして純粋な楽しさを祝うスペクタクル。全身ぶどうまみれになって笑い合う、スペインらしい“おいしい混沌”を体験できる絶好のチャンスです。

毎年8月最終土曜日に開催され、地元の人も観光客も、家族連れもスリル好きも、誰もが参加OK。ぶどうの果汁で手足がベタベタになり、足元が滑るほどの紫色の海の中で、見知らぬ人と笑い合う夏の冒険が待っています。

主な見どころ

ぶどうの大乱戦

祭りのメインは、なんといっても壮絶なぶどう投げ合戦。合図の大砲が鳴ると、参加者たちは地元産のぶどうを箱ごと抱え、友達や家族、さらには見知らぬ人にも容赦なくぶつけ合います。空気はつぶれたぶどうの甘酸っぱい香りと歓声で満ち、数分で広場は紫色の果肉と果汁の海。肌にまとわりつく果汁、ぶどうが弾ける音、みんなの笑い声…五感で“混沌の喜び”を味わえます。

主なイベント

祭りはパレードからスタート。ブドウの蔓で飾った山車やマーチングバンド、ダンサーたちが町を練り歩きます。ぶどう合戦の後は、広場の噴水でみんなで洗い流し、野外コンサートや伝統舞踊、夜には花火も。地元ワイナリーの試飲やぶどうを使ったゲームもあり、子どもから大人まで一日中楽しめます。

衣装と装飾

参加者はほとんどが白いTシャツや短パンなど、汚れてもいい服装。グループでお揃いのコスチューム(ぶどうの房やローマ風トーガ、スーパーヒーローなど)で登場する人も多く、会場は遊び心たっぷり。町中にはぶどうの蔓やバナー、樽や箱が並び、華やかな雰囲気に包まれます。

伝統グルメ&ドリンク

ぶどう合戦の後は、巨大なパエリアや焼きソーセージ、「コカ・デ・リャンダ」(ふわふわのスポンジケーキ)などバレンシアの郷土料理が並びます。地元ワインやぶどうジュースも飲み放題。焼き肉やパン、甘いお菓子の香りが漂い、屋台では冷たいオルチャータ(タイガーナッツミルク)も人気です。

文化・歴史的背景

ラ・グラン・バタージャ・デ・ライムは1970年代、ぶどう収穫を祝う地元農家の遊び心から始まりました。最初は農園労働者同士の小さな“ぶどう合戦”でしたが、やがて町全体の伝統行事へと発展。大地の恵みに感謝し、みんなで分かち合う喜びを象徴する祭りです。ワイン造りの歴史が深いポブラ・デル・ドゥクならではの、農業と現代の娯楽が融合したイベントです。

地元の人にとっては、単なるお祭りではなく“自分たちのアイデンティティ”を祝う日。世代を超えて家族や友人と笑い合い、町の誇りとして全国から人を呼び寄せる存在になっています。

参加者の声

「バレンシアから友達と参加。大砲が鳴った瞬間、全員が子どもに戻ってぶどうを投げ合い、滑って転んで大笑い!全身ベタベタだけど、こんなに楽しい体験は初めて」― マルタ(来訪者)
「うちは代々この町。祖父が最初のぶどう合戦の話をしてくれたのを覚えています。今は自分の子どもと一緒に参加して、家族みんなぶどうまみれで笑顔に。これが“ふるさと”の誇りです」― ホセ(地元住民)
「祭りでイギリスから来たグループと意気投合して、一緒にぶどうを投げ合いました。言葉は通じなくても、ぶどうと笑いは世界共通!その後みんなでパエリアとワインを分け合い、一生の友達ができました」― ルシア(参加者)

豆知識

  • 毎年4万キロ(約8万8千ポンド)以上のぶどうが使われます。
  • ラ・トマティーナ(トマト祭り)にヒントを得て始まったが、こちらはぶどうで勝負!
  • 果汁や果肉が目に入らないよう、ゴーグルや水泳帽を持参する人も多いです。
  • 祭り後、広場は水で洗い流されますが、ぶどうの果汁は石畳をピカピカにしてくれるとか。
  • ポブラ・デル・ドゥクはワインの名産地で、祭りは地元ワイナリーのPRにもなっています。

開催日程

ラ・グラン・バタージャ・デ・ライムは毎年8月最終土曜日にポブラ・デル・ドゥクで開催。

開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。

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実際の様子


開催情報

名称 ブドウの大合戦
スペイン
エリア マジョルカ島, ビニサレム
開催時期 2026/08/28
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