シンガポール・フード・フェスティバル

毎年7月、シンガポールは「シンガポール・フード・フェスティバル（SFF）」でグルメ天国に変身します。1か月にわたり、屋台料理からミシュラン星付きの名店、最先端フュージョンまで、街じゅうが“食”をテーマに盛り上がる一大イベント。海南チキンライスやチリクラブなど定番から、斬新な創作料理や未来系グルメまで、五感でシンガポールの“食文化”を味わい尽くせます。

ベイフロントのフェスティバル・ヴィレッジを歩けば、炭火焼きサテの香ばしい煙、ラクサが煮える鍋の音、パンダンやココナッツの甘い香りが漂い、色とりどりのランタンやバナー、ライブミュージックやシェフのデモンストレーションが活気を添えます。一口ごとに多民族国家シンガポールの物語が広がります。

ベイフロント・フェスティバルヴィレッジ

シグネチャーイベント＆没入型体験

マスタークラス・フードツアー・ワークショップ

シンガポール・フード・フェスティバル（SFF）は、1994年にシンガポール観光庁（STB）が「シンガポール独自の食文化を世界に発信し、観光資源としても活用する」ことを目的に創設されました。当時、経済発展とともに国際都市化が進む中で、地元の伝統料理や屋台文化（ホーカー）が若い世代や外国人観光客に十分に伝わっていないという課題がありました。そこで、SFFは中華・マレー・インド・プラナカン・ユーラシアンなど多様なルーツを持つシンガポールの“食の多様性”を一堂に集め、屋台から高級レストラン、伝統から革新までを体験できるイベントとしてスタートしました。

初期のSFFでは、ホーカーセンターや伝統市場での食べ歩きツアー、料理コンテスト、地元シェフによる実演などが人気を集め、地元住民と観光客の交流の場となりました。2000年代以降は、ミシュラン星付きレストランや海外ゲストシェフとのコラボ、食×アートやテクノロジーを融合したイベントも増加。2020年にはシンガポールのホーカー文化がユネスコ無形文化遺産に登録され、SFFも“伝統と革新の共存”を象徴する国民的フェスティバルとして、より多彩なプログラムや国際的な発信力を持つようになりました。

SFFは単なるグルメイベントではなく、世代や民族、地域を超えて「食」を通じて人々をつなぐ“社会的な架け橋”の役割も果たしています。家族や友人と食卓を囲む団らん、若手シェフや伝統職人の挑戦、食文化の継承と進化、そして世界中の食通を惹きつける“シンガポールらしさ”の象徴として、現代都市のダイナミズムと温かさを体現しています。

「フェスティバルヴィレッジはグルメ天国！ラクサもサテもドリアンアイスも全部絶品。昔ながらの屋台と最新トレンドが一緒に楽しめるのが最高です。

• シンガポールのホーカー文化(シンガポールで発展した屋台料理文化)は2020年ユネスコ無形文化遺産に登録。
• 「ロングテーブル」「フューチャーフード」「Food Is Art」など、食×アートやテクノロジーのイベントも人気。

シンガポール・フード・フェスティバルは毎年7月（または8月・10月）、市内各地で開催。ベイフロントのフェスティバルヴィレッジを中心に、ワークショップや食べ歩き、五感で楽しむ“食の冒険”にぜひ参加してみてください。