リスボン祭り
光とサルディーニャと夏の歌があふれる、ポルトガル最大の路上フェス
2026/05/31 - 2026/06/29
毎年6月、リスボンの街は「リスボン祭(Festas de Lisboa)」でカラフルなガーランドとランタン、音楽、笑い声に包まれます。歴史ある路地や坂道が巨大な野外ステージとなり、サルディーニャ(イワシ)の香ばしい香りが漂い、地元の人も観光客も一緒になって踊り、歌い、夏の到来を祝います。お祭り好きもグルメも、異国の文化に触れたい旅人も、リスボン祭は“本場のリスボンの夏”を全身で味わえる最高のチャンスです。
クライマックスは6月12日の夜、アヴェニーダ・ダ・リベルダーデで繰り広げられる「マルシャス・ポプラーレス(大パレード)」ですが、6月中は街の至る所で路上パーティーやコンサート、屋外イベントが続きます。アルファマやバイロ・アルトなど、どの地区も自慢のアレンジで祭りを盛り上げ、誰もがリスボンの夏のリズムに巻き込まれていきます。
主な見どころ
マルシャス・ポプラーレスと聖アントニオの行列
リスボン祭最大の見どころは、6月12日の「マルシャス・ポプラーレス」。各地区のグループが何カ月もかけて衣装や振付、歌を準備し、アヴェニーダ・ダ・リベルダーデを練り歩きます。色とりどりのバナーや紙花、エネルギッシュなパフォーマンスで“どの地区が一番か”を競い合う様子は圧巻。翌13日にはリスボンの守護聖人サント・アントニオを讃える厳かな行列も行われ、セ大聖堂周辺はバジルや紙のカーネーションで埋め尽くされます。
6月中は各地区で「アライアル」と呼ばれる路上パーティーが開催され、ピンバ音楽やフォークダンス、ゲームや屋台グルメが夜通し楽しめます。アルファマの迷路のような路地やグラサの丘の上まで、どこも地元流の盛り上がりでいっぱいです。
衣装・装飾・お祭りの雰囲気
リスボンの街は色とりどりの電飾やガーランド、バルーンでデコレーションされ、パレード参加者はフリルのスカートやサッシュ、セーラー帽、揃いのシャツなど伝統衣装で登場。地元の人も観光客も花冠やバジルの鉢(マンジェリコ)を手に、紙の旗や詩を飾ります。古いトラムやバルコニーも祭り色に染まり、ノスタルジーと高揚感が街を包みます。
伝統グルメとドリンク
リスボン祭といえば、炭火焼きのサルディーニャ(イワシ)!分厚いパンに挟んで手づかみで食べ歩くのが定番です。他にもビファナ(ガーリックポークサンド)、カルド・ヴェルデ(ケールとチョリソーのスープ)、焼きチョリソー、バジルやスイーツも人気。冷たいインペリアル(生ビール)やヴィーニョ・ヴェルデ(微発泡ワイン)も欠かせません。最近はベジタリアンやスイーツ系の屋台も増えています。
文化・歴史的背景
リスボン祭(Festas de Lisboa)は、古代の夏至祭や収穫祭と、キリスト教の聖人信仰が融合した、何世紀にもわたる伝統が息づくお祭りです。6月はもともと太陽と大地の恵みに感謝する異教的な祝祭の季節でしたが、やがてキリスト教の広がりとともに「ポピュラー・サンツ(民衆の聖人)」、特にリスボン生まれの聖アントニオへの信仰と結びつき、6月13日の聖アントニオの日がリスボン祭の中心となりました。
聖アントニオは1195年リスボン生まれ。説教や奇跡で名を馳せ、死後すぐに列聖されて世界中で崇敬される存在となりました。15~16世紀にはポルトガルの守護聖人として公式に認められ、リスボンは聖アントニオ信仰の中心地となりました。6月の祭りは彼の祝日に合わせて発展し、宗教行列や路上パーティー、パレードが街を彩るようになりました。20世紀には「マルシャス・ポプラーレス(大パレード)」や聖アントニオの集団結婚式なども加わり、リスボンのアイデンティティを象徴する行事へと成長しました。
歴史的にリスボン祭は、労働者階級の地区にとって地域の誇りや団結、夏の訪れを祝う大切な機会でした。地震や戦争、政変、さらには一時的な禁止を乗り越え、リスボンの精神を体現する祭りとして守られてきました。1974年のカーネーション革命以降は、市役所や地域コミュニティが中心となって伝統の復活と継承に力を入れています。
現代のリスボン祭は、懐かしさと現代的なエネルギーが混ざり合う“生きた祝祭”です。音楽やダンス、グルメ、そして炭火焼きイワシの香りが街を包み、リスボンのレジリエンス(しなやかな強さ)、おもてなし、そして喜びを象徴する唯一無二の文化となっています。
参加者の声
観光で初めて参加しましたが、エネルギーに圧倒されました。バイロ・アルトのアライアルでカルド・ヴェルデを初めて食べ、地元の人にダンスを教わり、夜明けまで踊りました。リスボンの6月は本当に幸せな時間です。
豆知識
- リスボン祭期間中、イワシは100万匹以上、バジル鉢も数万個が消費されます。
- 恋人同士がバジル鉢に紙の旗と詩を添えて贈り合うのが伝統。
- 6月13日は「縁結びの聖人」聖アントニオにちなみ、結婚式も多く行われます。
開催日程
リスボン祭は毎年6月1日〜30日、特に6月12・13日に街中で最大の盛り上がりを見せます。路上パーティーでイワシを頬張り、リスボンの夏の魔法に身をまかせてみてください。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
実際の様子
photo by Marc Baertsch
photo by valeria da lua
photo by oktopuzz
photo by Helena e Guilherme
photo by Beverly Dakin
開催が近いお祭り
クケリ祭り スルヴァ ブルガリア
ブルガリアの冬を追い払う、精霊と火と鐘の祝祭
2026/01/22ディナギャン フィリピン
イロイロが誇る信仰・伝統・ダンスの轟く祭典
2026/01/22オーロラ・フェスティバル ノルウェー
北極の夜に音楽とオーロラが舞うトロムソの奇跡
2026/01/25バスクのカーニバル スペイン
バスク山間に響く“太古の音と春を呼ぶ祭り”
2026/01/26アップ・ヘリー・アー イギリス
シェトランドに炎とヴァイキングの誇りが燃え上がる夜
2026/01/29ウインタールード カナダ
氷と光と笑顔があふれるカナダ首都圏の冬のワンダーランド
2026/01/30ヴィアレッジョのカーニバル イタリア
巨大な紙粘土の傑作が織りなす壮観なパレード
2026/01/30カンデラリア祭 ペルー
チチカカ湖畔に響く信仰とフォルクローレの大舞踏祭
2026/01/31タイプーサム マレーシア
バトゥ洞窟を彩る、祈りと苦行の壮絶な巡礼祭
2026/01/31ジャイサルメール砂漠祭り インド
ラジャスタンの黄金の砂丘が色と文化で輝く日