燃灯祭り(燃灯会)

ソウルを流れる光と祈りの川


2026/05/15 - 2026/05/16

毎年春、ソウルの中心部は「燃灯会(ヨンドゥンフェ)」のやさしい光で包まれます。1000年以上の歴史を持つこの祭りは、仏誕節(釈迦誕生日)を祝う伝統行事で、街や寺院が色と光、そして人々の祈りで彩られます。スピリチュアルな体験を求める人も、韓国文化やアートを楽しみたい人も、アジア屈指の幻想的な夜を体感できる絶好の機会です。

清渓川に映る無数のランタン(灯籠)の光、太鼓や読経のリズム、線香や甘い餅の香り、手に伝わる繊細な韓紙の感触…。知らない人同士も自然と笑顔でつながり、街全体が平和と幸せを願う優しい空気に包まれます。

主な見どころ

ランタン(灯籠)パレード

祭りのハイライトは、鍾路通りを埋め尽くす大規模な灯籠パレード。数万人が蓮の花灯籠を手に歩き、龍や象、仏像をかたどった巨大な灯籠山車が夜空を彩ります。伝統音楽や僧侶の法衣、全国各地や海外からのグループも加わり、光の川がソウルを流れます。

ランタン(灯籠)作り体験&寺院フェア

パレード前には曹渓寺や街頭で灯籠作りワークショップが開催され、色とりどりの韓紙を折って蓮や動物の灯籠を手作りできます。寺院フェアでは書道や精進料理体験、願い事を灯籠に結ぶコーナーも。線香の香りや紙の音、笑い声が会場を包みます。

伝統芸能・儀式

期間中は伝統音楽や仏教声明、民族舞踊のステージも多数。僧侶による平和祈願の法要や、メイン灯籠の点灯式は会場全体が希望に包まれる感動の瞬間。夜には清渓川に灯籠が流され、水面に映る光と祈りが幻想的な世界を作り出します。

衣装とデコレーション

多くの参加者が韓服や僧衣をまとい、祭りの美しさを引き立てます。街中は無数の灯籠や蓮のモチーフ、カラフルなバナーで飾られ、寺院には来場者や信者の願いが込められた灯籠が天井いっぱいに吊るされます。

伝統グルメ&フード

寺院料理の蓮根サラダや甘い餅(トック)、薬草茶などが楽しめます。屋台ではホットク(甘いパンケーキ)、薬菓(はちみつクッキー)、フレッシュジュースなども人気。焼き栗や線香の香りが春の夜風に混じり、食べ歩きも祭りの楽しみの一つです。

文化・歴史的背景

燃灯会(ヨンドゥンフェ)の起源は、7世紀の新羅時代にさかのぼります。当時、仏教が国家宗教として広まる中、仏陀の誕生日を祝うために寺院や街中で灯籠(灯火)を灯し、仏陀への感謝や平和・豊穣・家族の安寧を祈る行事として始まりました。特に王宮や寺院では、夜を彩る無数の灯火が人々の心を照らし、厳かな祈りとともに春の訪れを告げていたと伝えられています。

高麗・朝鮮時代を通じて、燃灯会は庶民にも広がり、仏教行事であると同時に、地域や家族、友人同士が集い、願いを分かち合う「春の社交行事」として発展しました。戦乱や社会の変動、近代化の波を経ても、灯籠に込める「希望」「癒し」「平和」への祈りは変わらず、韓国社会の精神的な支柱となってきました。

現代では、燃灯会は宗教の枠を超えた“みんなの祭り”として、老若男女・国籍・信仰を問わず誰もが参加できる開かれたイベントへと進化。灯籠作りやパレード、寺院体験、伝統芸能など多彩なプログラムを通じて、地域コミュニティの絆や世代間交流、国際交流の場としても大きな役割を果たしています。

2020年にはユネスコ無形文化遺産に登録され、その歴史的・文化的価値が世界的にも認められました。灯籠に火を灯し、願いを託すという行為は、「自分や家族、社会の未来を明るく照らしたい」という普遍的な願いの象徴であり、韓国の人々にとって春の再生・希望・連帯を実感する大切な節目となっています。

参加者の声

留学生として参加しましたが、みんな温かく迎えてくれて感動。曹渓寺で蓮灯籠を作り、寺院料理を味わい、僧侶と祭りの意味について語り合いました。忘れられない夜です。

豆知識

  • 毎年10万個以上の灯籠がソウルの夜を照らす。
  • 1200年以上の歴史を持つ、韓国最古級の伝統行事。
  • 灯籠は韓紙(韓国伝統の和紙)で作られ、強さと美しさが特徴。
  • 宗教や国籍を問わず誰でも参加できるオープンな祭り。

開催日程

燃灯会は毎年春、ソウルの曹渓寺・鍾路通り・清渓川一帯で開催されます。灯籠パレードや手作り体験、夜空に願いを託すひとときをぜひ体感してください。

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実際の様子


開催情報

名称 燃灯祭り(燃灯会)
韓国
エリア ソウル
開催時期 2026/05/15 - 2026/05/16
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