済州火祭り
大地と人の魂を燃やす春の炎の祝祭
2023/03/09 - 2023/03/11
毎年春、済州島の広大な草原が「済州火祭り(済州デュルブル祭り)」で炎と光に包まれます。サビョルオルム(新星岳)の丘一帯で、草原を焼き尽くす壮大な火入れを見守りながら、済州ならではの農耕文化と新しい命の訪れを祝います。非日常を体験したい人にとって、五感で感じる済州の“火と大地の祭典”は一生忘れられない春の思い出になるでしょう。
夕暮れになると、期待と高揚が会場を包みます。丘を駆け下りる炎の波、パチパチと燃える草の音、煙と海風が混じる匂い、肌に伝わる火のぬくもり…。原始的でありながら、みんなで一体となる不思議な連帯感。古代の祈りと現代のフェスが交差する夜、誰もが“光の輪”の一員になれます。
主な見どころ
サビョルオルムの火入れ
祭りのクライマックスは、サビョルオルム(火山丘)の草原を一斉に燃やす「火入れ」。夜になるとたいまつを持った人々が丘の斜面に火を放ち、炎の川が夜空を照らします。何万人もの観客が見守る中、炎が丘を駆け下りる光景は圧巻。もともとは害虫駆除や土壌改良のために行われていた済州の伝統農耕儀礼「バンゲ」が起源です。
たいまつパレード・火のショー・民俗芸能
火入れの前にはたいまつパレードが行われ、参加者が炎やランタンを掲げて草原を練り歩きます。伝統太鼓やシャーマン儀式、民俗舞踊が会場を盛り上げ、花火やファイヤージャグリング、ライトショーも楽しめます。夜空と大地が一体となる、視覚と聴覚の祝祭です。
文化・歴史的背景
済州火の祭りは、島の農耕文化に根ざした伝統行事がルーツです。済州では毎年春、草原に火を入れて害虫を駆除し、火山灰の大地に栄養を与えて豊作を祈る「バンゲ」という共同作業が行われてきました。火入れは自然への祈りと共同体の結束を象徴し、やがて現代的な祭りとして復活。済州の独自文化と風景を体感できる春の風物詩となりました。
今では再生とコミュニティ、自然との共生を象徴する祭りとして、地元の人々は祖先や土地への感謝を込め、訪れる人は済州の“火の魂”を肌で感じることができます。
参加者の声
丘が炎に包まれる光景はまるで夢の中。熱気と音、みんなで見守る一体感に“古代の儀式”の力を感じました。
豆知識
- 「バンゲ」は済州方言で伝統的な草原火入れを意味する。
- 火山灰の土壌は灰で肥沃になり、農作物や家畜の生育に役立つ。
- 済州島にはサビョルオルムを含め360以上のオルム(火山丘)が点在する。
開催日程
済州火の祭りは毎年3月、済州島のサビョルオルムで開催。日没前からたいまつパレードに参加し、丘が炎に包まれる圧巻の光景をぜひ体験してください。
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