泣き相撲
赤ちゃんの泣き声が福を呼ぶ、笑顔あふれる伝統行事
2026/05/02
春や秋になると、日本各地の神社には赤ちゃんの泣き声と家族の笑い声が響き渡ります。「泣き相撲」は、神社の土俵の上で力士や神職が赤ちゃんを抱き上げ、元気に泣かせて健やかな成長や厄除けを願う、ユニークで心温まるお祭りです。栃木・鹿沼の今宮神社や岩手・花巻の三熊野神社などが有名で、毎年多くの親子や見物客で賑わいます。
400年以上の歴史を持つこの行事は、毎年全国から数千人が参加・見学する人気イベント。子どもの健康を願う家族はもちろん、日本らしい伝統と温かい雰囲気を体験したい旅行者にもおすすめです。
主な見どころ
泣き相撲本番
最大の見どころは、6ヶ月〜1歳半ほどの赤ちゃんたちが化粧まわし姿で土俵に上がり、力士や神職に抱っこされて泣き声を競う「泣き相撲」。観客が「よいしょ、よいしょ!」と声援を送り、最初に泣いた子や一番大きな声で泣いた子が勝ちとされます(最近は全員が“勝ち”扱いのことも)。泣き声と拍手、家族の笑顔が境内に響き、会場は温かな雰囲気に包まれます。
主なイベント
本番以外にも、無病息災や五穀豊穣を祈る神事、地元芸能の披露、記念撮影コーナーなどが行われます。岩手・三熊野神社では全国大会もあり、県外や海外からの参加者も多く集まります。
衣装と装飾
赤ちゃんは小さな化粧まわしや紅白の紐を身につけ、力士や神職は法被や装束姿。土俵にはしめ縄やのぼりが飾られ、境内にはカラフルな旗や屋台が並び、新緑やお香の香りが漂います。
文化・歴史的背景
泣き相撲の起源は「赤ちゃんの元気な泣き声は魔除けや健康祈願になる」という古い信仰にあります。今宮神社では「泣き声で蘇った子ども」の伝説も残り、江戸時代以前から続く地域も。時代とともに、子どもの成長祈願や初宮参りの意味合いも加わり、今では地域の大切な年中行事として親しまれています。
地元の人々にとっては、子どもの健やかな成長を願う“通過儀礼”であり、地域の絆を深める伝統行事。重要無形民俗文化財に指定されている地域もあります。
参加者の声
「生後10ヶ月の娘を今宮神社の泣き相撲に参加させました。大きな泣き声に会場が笑いと拍手に包まれて、親としても誇らしく、ありがたい気持ちになりました。」― 由香さん(母)
「海外から初めて見に来ました。力士さんが赤ちゃんを優しく抱き上げ、観客が応援する光景はとてもユニークで感動的でした。地元のご家族に由来を教えてもらい、日本文化をより好きになりました。」― ダニエルさん(来訪者)
「毎年“力士役”で参加しています。泣き方も子どもによって本当に様々。どの親御さんも元気に育ってほしいという思いは同じで、会場が笑顔と元気な泣き声でいっぱいになるのが嬉しいです。」― 浩さん(地元ボランティア)
豆知識
- 泣き相撲は全国各地の神社で行われており、場所ごとに独自のルールや歴史があります。
- 400年以上続く神社もあります。
- 最初に泣いた子が勝ち、または一番大きな声で泣いた子が勝ち、逆に笑った子が勝ちとされる地域も。
- 「泣く子は育つ」は泣き相撲にちなんだことわざです。
開催日程
泣き相撲は全国各地の神社で開催されますが、岩手・三熊野神社(5月)や栃木・今宮神社(9月)が有名です。詳細は各神社の公式サイトをご確認ください。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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