ホーラ・モハッラ
パンジャーブに響く勇気と兄弟愛の祭典
2026/03/03 - 2026/03/05
毎年春、パンジャーブ州アーナンドプル・サーヒブの小さな町は「ホーラ・モハッラ」の熱気と色彩、勇壮さに包まれます。ホーリーの遊び心を武勇の祭典へと昇華させたこのシク教の祭りでは、馬の蹄の音や剣のきらめき、聖歌の響きが町中に満ち、数万人が行進や模擬戦、共同食事で絆を深めます。伝統の息遣い、英雄的な精神、パンジャーブの温かなもてなしを体感したい人にとって、ホーラ・モハッラは唯一無二の祭りです。
この祭りは毎年3月、ホーリーの翌日を中心にパンジャーブ州アーナンドプル・サーヒブで開催されます。シク教徒はもちろん、歴史好きや写真家、世界中の旅行者が、信仰と武芸が融合した特別な時間を求めて集まります。
主な見どころ
武芸演武と模擬戦
ホーラ・モハッラの中心は、シク教武術「ガトカ」の迫力ある演武です。青い衣装と巨大なターバンが印象的なニハン(戦士僧)たちが、剣術や槍投げ、馬上スタント、模擬戦を披露します。鋼のぶつかる音や太鼓のリズム、観客の歓声が大地を揺らし、馬が巻き上げる砂埃と汗、土の匂いが生々しい臨場感を生み出します。
行列とキールタン(聖歌)
毎朝、タクト・スリ・ケースガル・サーヒブ・グルドワーラから盛大な行列(ナガル・キールタン)が出発し、数千人が聖歌を歌いながらサフラン色の旗を掲げて練り歩きます。道には花びらが敷き詰められ、マリーゴールドの香りと伝統衣装の華やかさ、聖歌の響きが町を包みます。
衣装と装飾
ニハンは深い青のローブや鉄のバングル(カラ)、鋼鉄のチャクラム(輪)を飾ったターバンが特徴的。多くが剣や槍、伝統的な盾を携えています。町中はバナーやオレンジ・青の旗、巡礼者のためのテントで彩られ、語らいや休息の場となります。
伝統料理と飲み物
祭りの名物は「ランガル」と呼ばれる無料の共同食堂。ボランティアがダールやローティ、サブジ、甘いキールを何千人分も用意します。焼きたてのパンや煮込むスパイス、薪の煙の香りが漂い、見知らぬ人と食卓を囲む温かさが心に残ります。
文化・歴史的背景
ホーラ・モハッラは1701年、シク教第10代グル・ゴービンド・シングがホーリーに対抗する形で創設しました。色粉を投げ合う代わりに、シク教徒の武芸や規律、団結を示す場とされたのです。300年以上経った今も、ホーラ・モハッラはシク教徒の誇りとアイデンティティ、奉仕(セヴァ)の精神を象徴する祭りとして受け継がれています。
参加者の声
イギリスから来た旅行者ですが、おもてなしに感動しました。ランガルに参加し、ニハンにターバンの巻き方を教わり、ガトカにも挑戦(あまり上手くはいきませんでしたが…)。ここで感じた兄弟愛と誇りは忘れられません。
豆知識
- 「モハッラ」とは行列やパレードを意味します。
開催日程
ホーラ・モハッラは毎年春、パンジャーブ州アーナンドプル・サーヒブで開催されます。日程は太陰暦によって毎年変動します。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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