スフラクル・ド・ノントロン
白い寝間着と笛、笑いが弾けるドルドーニュの春祭り
2026/04/10 - 2026/04/12
春になると、フランス南西部ドルドーニュ地方の小さな町ノントロンは、スフラキュル祭で一気に賑やかさを増します。週末の2日間、地元の人々は白い寝間着とコットンのボンネットをまとい、ふいごや笛を手に町中を練り歩きます。騒がしいパレードは、悪霊を追い払うと同時に、権力者を皮肉るユーモアたっぷりの伝統。地元の人も帰省者も、旅行者も、“笑いと風刺と共同体”が町中に満ちるこの祭りを全身で楽しみます。
毎年イースター直後の週末に開催され、家族連れやいたずら好き、笑いが好きな人なら誰でも大歓迎。中世から続く生きた民俗文化を肌で感じられる、フランス無形文化遺産にも登録されたユニークな春祭りです。
主な見どころ
笛のパレード&小麦粉バトル
祭りの中心はパレード。長い白い寝間着とナイトキャップ、木靴を履いた数百人のスフラキュルたちが、顔に小麦粉をはたき、ふいごを手に旧市街を練り歩きます。前の人のお尻にふいごで空気を送るというユーモラスな動作で、笑いと笛の音が町中に響き渡ります。小麦粉が舞い、押し合いへし合い、オクシタニア語の歌が流れるカーニバル空間は、野性味と温かさに満ちています。
主なイベント
土曜夜は大宴会と生演奏、「ミス・スフレット」選出で幕開け。日曜はパレードの後、冬といたずらの象徴「ビュファドゥ」人形の“裁判”と火あぶりが行われます。大道芸やゲーム、「勇敢なイワシ賞」など、日が暮れるまで笑いが絶えません。
衣装と装飾
白い寝間着、コットンのボンネット、赤い木靴が定番スタイル。女性はスカート着用が義務(市条例!)、顔はつけ鼻や仮面、小麦粉で隠します。寝間着を連結して“イモムシ”になるグループも。町にはバナーやガーランド、スフラキュル像も飾られ、ユーモアたっぷりの雰囲気です。
文化・歴史的背景
スフラキュルの起源は中世にさかのぼり、町人たちが権力者や聖職者を仮装で皮肉り、四旬節前に社会秩序をひっくり返す“逆転の祝祭”でした。ふいごや小麦粉は、特に女性のスカートの下に潜む悪霊を追い払う魔除けでもありました。戦争や禁止令、消滅の危機も乗り越え、1979年に地元有志が復活。今ではノントロンの誇りとユーモア精神の象徴であり、2010年にはフランス無形文化遺産にも認定されています。
参加者の声
初めて子どもたちを連れてきました。仮装もカオスも大喜びで、最後は家族みんな小麦粉まみれで大笑い。久しぶりに家族全員で心から楽しみました。全部のジョークは分からなかったけど、歓迎ムードは本物。ノントロンは本当にお祭り上手!
豆知識
- 「スフラキュル」は直訳すると「お尻を吹く人」—祭りのユーモア精神を象徴する名前です。
- 女性は市条例でスカート着用、男性は寝間着&ボンネットが必須スタイル。
- ビュファドゥ人形の火あぶりは、冬といたずらの終わりを象徴します。
- 町にはスフラキュル像や「ふいご通り(Rue des Soufflets)」もあり、伝統を今に伝えています。
開催日程
スフラキュル・ド・ノントロンは毎年4月、ノントロンで開催されます。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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