モンテベデオのカーニバル(ラス・ジャマーダス)
太鼓と色彩、アフロ・ウルグアイの誇りが響く夜
2026/02/04 - 2026/02/25
毎年夏、モンテビデオの街はカンドンベ太鼓のリズムときらめく衣装で熱狂に包まれます。特に「ラス・ジャマーダス(呼び集めのパレード)」の2夜は、バリオ・スールとパレルモの歴史地区が巨大なステージと化し、数千の太鼓奏者やダンサー、観客で溢れかえります。骨まで響く音楽と、文化が全身で祝われる熱気に包まれるこの祭りは、“体感しなければわからない”ウルグアイ最大の祝祭です。
モンテビデオ・カーニバルとそのハイライトであるラス・ジャマーダスは毎年2月に開催。地元の人はもちろん、世界中の旅人やカンドンベ愛好家が集い、音楽好き、写真好き、ストリートダンス好き…誰もが夢中になれる、最もカラフルで開かれた祭りです。
主な見どころ
ラス・ジャマーダス(呼び集めのパレード)
祭りの中心は「ラス・ジャマーダス」。40以上のコンパルサ(カンドンベ集団)が、何百もの太鼓の轟音に先導されて夜の街を練り歩きます。羽飾りやスパンコールの衣装、植民地時代風の伝統衣装をまとったダンサーたちが、石畳を力強く踏み鳴らしながら踊る姿は圧巻。アフロ・ウルグアイ文化へのオマージュと誇りが、観る者すべてに伝わります。
主なイベント
カーニバルは40日以上続き、公式パレード(Desfile Inaugural)、音楽・劇のコンテスト(Concurso de Agrupaciones)、市内各地の野外ステージ(タブラード)など見どころ満載。その中でも2月上旬のジャマーダスは最高潮。道は観客で埋まり、夜明けまでパーティーが続きます。沿道には紙吹雪やマスク、ネオンライトを売る屋台が並び、混沌とした祝祭感が漂います。
衣装と装飾
出演者はスパンコールや羽飾りのドレス、植民地時代風のスーツやシルクハットなど、アフリカとヨーロッパの影響が融合した衣装で登場。コンパルサには「ママ・ビエハ(おばあさん)」「グラミジェロ(薬草師)」「エスコベロ(ほうき男)」など象徴的なキャラクターも登場します。通りはバナーやカラフルなライトで飾られ、空気にはお香や焼き肉の香りが漂います。
伝統グルメ&ドリンク
カーニバル名物といえば、チョリソーサンドやグリル肉、トルタ・フリタ(揚げパン)、アルファホール(お菓子)。アサードの煙と甘いピーナッツ、ビールの香りが混ざり合い、パレード沿いの屋台ではフルーツジュースや冷たいクラリコ(フルーツパンチ)も人気。踊り手も観客も夜通しエネルギーを補給します。
文化・歴史的背景
モンテビデオ・カーニバルのルーツは18世紀後半、スペイン植民地時代のウルグアイにさかのぼります。当時、アフリカから奴隷として連れてこられた人々が、週末や宗教行事の際に自分たちの伝統的なリズムや踊り、歌を持ち寄り、コミュニティの結束やアイデンティティを守っていました。特にバリオ・スールやパレルモなどの地区はアフロ系住民の拠点となり、カンドンベ(アフリカ由来の太鼓音楽)が地域文化の核となりました。
「ジャマーダス(呼び集め)」の名前は、奴隷解放後も続いた“太鼓で仲間を呼び集める”というアフロ系住民の習慣に由来します。19世紀後半には、カンドンベのリズムやパレードがカーニバルの一部として公式に認められ、ヨーロッパ系移民の仮装や劇、音楽と融合。やがてアフリカ、ヨーロッパ、先住民の伝統が混ざり合い、抵抗と誇り、自由、そして多様性を祝う祭りへと発展しました。
現在、モンテビデオ・カーニバルは40日以上続く世界最長のカーニバルとして知られ、ジャマーダスには毎年20万人以上が訪れます。カンドンベはウルグアイの国民的アイデンティティの象徴となり、2009年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。カーニバルは祖先への敬意と多様性の誇りを再確認し、音楽とダンスを通じてコミュニティの絆を深める特別な時間です。
参加者の声
スペインからこのカーニバルのために来ました。気づけばコンパルサと一緒に朝3時まで踊り、紙吹雪と汗まみれ。太鼓奏者の友達がカンドンベの歴史を教えてくれて、“これはただのパレードじゃなく、生きた物語なんだ”と実感しました。
豆知識
- モンテビデオ・カーニバルは世界最長(40日以上)。
- パレードコースはバリオ・スールとパレルモを約1.5km練り歩く。
- ママ・ビエハ、グラミジェロ、エスコベロなどのキャラクターはアフロ・ウルグアイ民話がルーツ。
開催日程
ラス・ジャマーダスは毎年2月、モンテビデオのバリオ・スールとパレルモ地区で開催されます。
開催情報
名称 | モンテベデオのカーニバル(ラス・ジャマーダス) |
国 | ウルグアイ |
エリア | モンテビデオ, |
開催時期 | 2026/02/04 - 2026/02/25 |
リンク |
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