アル・ダフラ・フェスティバル

ベドウィンの誇りと砂漠の美が響き合う祝祭


2026/10/19 - 2027/01/28

毎年冬、アブダビ西部アル・ダフラ地方の広大な砂漠で、「アル・ダフラ・フェスティバル」が開催されます。10月から1月にかけて2か月以上にわたり、マディナット・ザイードの町や砂丘の特設会場に数千人が集い、ラクダ・鷹・馬・伝統工芸・アラブ料理など、エミラティのベドウィン(中東の砂漠地帯で遊牧生活を送る人々)文化が一堂に会します。UAEの“生きた遺産”に触れる絶好の機会です。

会場は五感を刺激します。優雅なラクダのパレードや美しさを競うコンテスト、砂丘に響く詩や音楽、乳香やグリルラムの香り、手織りの布や温かな砂の感触…アル・ダフラは単なるイベントではなく、砂漠の魂と国の誇りを体感できる“旅”そのものです。

主な見どころ

ラクダの美人コンテスト&レース

アル・ダフラの目玉は、アラビア半島各地から集まる数千頭のラクダが競う伝説の「ラクダ美人コンテスト(マザイナ)」。アサイール種やマジャヒーム種など、まつげや首のライン、堂々とした姿勢などが審査され、優勝すれば名誉と賞金総額数億円規模の大きな栄誉が与えられます。ラクダレースでは砂漠に歓声と蹄の音が響き渡ります。

鷹狩・サルーキ&馬のレース・伝統競技

鷹狩のデモンストレーションでは、空を舞う鷹のスピードと優雅さに圧倒されます。アラビアン・サルーキ犬や純血馬のレースも大人気。アーチェリーや射撃、羊の美人コンテスト、伝統的なエミラティの遊びなど、ベドウィン文化の知恵や動物との絆を体感できます。

伝統工芸・スーク・文化パフォーマンス

会場のスーク(市場)には、ヤシ織りや刺繍、陶器、香水作りなどエミラティ女性の手仕事が並びます。クラフトウーマンコーナーやヌーカサ・ハウスでは職人と交流し、海洋文化も学べます。詩の朗読や音楽、ダンスのパフォーマンスも連日開催され、古き良き物語と現代の才能が響き合います。

文化・歴史的背景

アル・ダフラ・フェスティバルは、アブダビ西部地域で2008年に創設され、何世紀にもわたりエミラティ(UAE国民)社会を形作ってきたベドウィン(中東の砂漠地帯で遊牧生活を送る人々)の文化と伝統を守り、伝えることを目的としています。その起源は、かつてベドウィンの部族が砂漠を越えて集まり、交易やラクダ競争、親族との再会を楽しんだ古い集会に着想を得ており、現代のフェスティバルとして蘇らせています。

この祭りの中心となる「ラクダ美人コンテスト(マザイナ)」は、エミラティ社会でラクダが持つ文化的・経済的な重要性を象徴する何世紀も続く伝統です。アラビア半島各地から集まる数千頭のラクダが、首の長さやまつげ、毛並みや姿勢など350以上の部門で競い合い、毎年数千万ディルハム規模の賞金が授与されます。「ナムース」と呼ばれる優勝の名誉は一族の誇りであり、家族のパレードや音楽、サフランで飾られたラクダなどで盛大に祝われます。

ラクダコンテスト以外にも、アル・ダフラでは鷹狩、サルーキ犬や馬のレース、詩の朗読、伝統音楽、ヤシ織りや刺繍、陶芸などの手工芸が再現・披露されます。会場はヘリテージビレッジやスーク、マジリス(伝統的な集会テント)が並び、アラビックコーヒーやデーツでもてなし、まるで“生きた博物館”のような空間です。地元の人々にとってアル・ダフラは、祖先の知恵を学び、親族と再会し、自分たちの文化を世界に発信する大切な場となっています。

現在、アル・ダフラ・フェスティバルはUAEを代表する文化イベントのひとつとなり、湾岸諸国から多くの参加者や観光客を集めています。UAE大統領やアブダビ文化遺産庁の後援のもと、競技・芸術・もてなしが融合したこの祭りは、国の文化カレンダーの中心であり、世代を超えた誇りの象徴です。

参加者の声

ヨーロッパから観光で参加。ラクダのパレードの規模や人々の温かさに感動しました。ヤシ織り体験やラム肉の味も忘れられません。誰でも歓迎される祭りです。

豆知識

  • ラクダ美人コンテストには毎年2万5千頭以上が参加し、賞金総額は数億円規模。

開催日程

アル・ダフラ・フェスティバルは毎年10月から1月にかけて、アブダビ西部マディナット・ザイードで開催。ラクダの美人コンテストや伝統料理、砂漠の魔法に包まれるエミラティ文化体験をぜひ味わってみてください。

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実際の様子


開催情報

名称 アル・ダフラ・フェスティバル
アラブ首長国連邦
エリア マディナット・ザイード
開催時期 2026/10/19 - 2027/01/28
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