メシル・マージュヌ祭り（マニサ・メシル・あめ祭り）

毎年春、トルコの古都マニサでは、メシール・マジュヌ祭りが開催されます。この祭りは、毎年3月21日から24日まで行われ、数万人が集まります。スルタン・モスクのミナレットから甘い香りのペーストが降ってくる様子は圧巻で、訪れる人々はその瞬間を心待ちにしています。メシール・マジュヌは41種類のハーブとスパイスから作られた特製ペーストで、健康や幸運を願う象徴的な存在です。この何世紀にもわたる伝統はオスマン帝国の歴史に根ざしており、健康、再生、そして地域社会の精神を祝う喜びに満ちたイベントです。

メシールの投げ入れ

メシールペーストの準備儀式

メシールパレード

料理の楽しみ

メシール・マジュヌ祭りは、16世紀のオスマン帝国時代に起源を持つ伝統行事です。伝説によると、スレイマン大帝の母ハフサ・スルタンが重病から回復したことを記念して始まりました。彼女を治癒したとされる41種類のハーブとスパイスから作られた特製ペースト「メシール・マジュヌ」が、スルタンの命により民衆に配られたのが始まりです。

毎年3月21日から24日にかけて開催されるこの祭りは、マニサの人々にとって深い愛着のある文化的イベントです。伝統的な方法でペーストが作られ、スルタン・モスクのミナレットから撒かれる様子は、健康と幸運への願いを象徴しています。この行事は単なる歴史の再現ではなく、地域社会の絆を強め、世代を超えて伝統を継承する重要な役割を果たしています。

祭りの中心的な儀式であるペーストの投げ入れでは、人々がペーストを受け取ろうと競い合う姿は、共同体の一体感を生み出し、トルコ全土からの訪問者を温かく迎え入れる機会となっています。さらに、45人編成の楽団による伝統的なオスマン音楽の演奏は、祭りの文化的な深みを増しています。

2012年、ユネスコはメシール・マジュヌ祭りを無形文化遺産に登録し、その文化的重要性を国際的に認めました。この祭りは、トルコの豊かな歴史と伝統を体現し、現代に生きる人々にとっても大切な文化的アイデンティティの一部となっています。

私は子供の頃からこの祭りに来ていますが、今年は特別でした。初めて娘を連れてきました。広場で感じる興奮は格別で、お菓子が降ってくる瞬間、彼女と一緒にキャッチできたことが嬉しかったです。「願い事が叶うよ」と隣のおばあさんが言ってくれました。この瞬間こそ、私たち家族にとって特別な思い出です。

• 祭りでは約3トンものメシール・マジュヌが準備され配布されます。
• 2013年には「一度にお菓子をキャッチした人数」でギネス世界記録も樹立されています。

メシール・マジュヌ祭りは通常毎年3月下旬から4月にかけて開催されます。