夏至祭
花と光と伝統があふれるスウェーデンの白夜祭
2026/06/18 - 2026/06/19
毎年6月、太陽がほとんど沈まない白夜の季節、スウェーデン各地の草原や公園、群島の島々で「ミッドサマー(ミッドソンマル)」が盛大に祝われます。野の花の香りと笑い声、音楽があふれるなか、家族や友人が手をつなぎ、メイポール(五月柱)のまわりで踊り、ニシンの酢漬けやイチゴ、シュナップスを味わいながら、終わらない夏の日を楽しみます。スウェーデンの夏の魔法を体感したい人にとって、ミッドサマーはまさに夢のような祭りです。
地元の人も旅行者も、子どもからお年寄りまで誰もが主役。自然や家族、仲間との絆を感じる、スウェーデンらしい素朴で温かな祝祭です。
主な見どころ
メイポール(五月柱)とフォークダンス
ミッドサマーの中心は、白樺の葉や野の花で飾られたメイポールの立ち上げ。フィドルやアコーディオンの音色に合わせて、老若男女が手をつなぎ「小さなカエル(スモー・グロドーナ)」などの伝統舞踊を輪になって踊ります。花冠が太陽の下で揺れ、笑い声と足音が草原に響く光景は、まさにスウェーデンの夏そのものです。
主なイベント
祭りはミッドサマーイブ(金曜・6月19~25日間のいずれか)に始まり、メイポールの立ち上げ、みんなでのダンス、麻袋レースや綱引きといったゲームが続きます。町ごとにフォークミュージックの生演奏や、庭やサマーハウスでの小さな集まりも。夜には焚き火が灯り、白夜のもとで宴はいつまでも続きます。
衣装と装飾
多くの人が家族に受け継がれた刺繍入りの民族衣装やベスト、エプロンを着用。朝露の残るうちに摘んだ野の花で作る花冠(ミッドソンマルクランス)が欠かせません。テーブルには白樺や野花、スウェーデン国旗が飾られ、素朴で華やかな雰囲気に包まれます。
伝統グルメ&ドリンク
ミッドサマーの食卓は、酢漬けニシン、ディル入り新じゃが、グラブラックス(サーモンの塩漬け)、サワークリームやチャイブ、クリスプブレッドやチーズが並ぶごちそう。デザートはイチゴと生クリームが定番です。ハーブや焼き肉の香り、アクアビット(ハーブ入り蒸留酒)のグラスがカチンと鳴り、陽気な飲み歌(スナップスヴィーサ)が響きます。イチゴの甘さ、魚の塩気、冷たいアクアビット…これぞスウェーデンの夏の味わいです。
文化・歴史的背景
ミッドサマー(ミッドソンマル)の歴史は、キリスト教伝来以前の古代北欧の夏至祭にまでさかのぼります。太陽が最も高く昇るこの時期、北欧の人々は昼の長さと自然の恵み、豊穣や生命の再生を祝うため、火を焚き、歌や踊り、花を用いた儀式を行っていました。これらは豊作や健康、恋愛成就を願う“自然崇拝”の一環で、夜通しの祝宴や魔除けの風習も各地に伝わっています。
16世紀になると、ドイツから「メイポール(五月柱)」の風習が伝わり、スウェーデン独自の形に発展しました。メイポールは豊穣や生命力の象徴とされ、村人たちが協力して白樺や野の花で飾り、みんなでその周りを踊る伝統が定着します。また、ミッドサマーの夜には「7種類の野花を摘んで枕の下に入れると将来の伴侶の夢を見る」といった恋や運命にまつわる言い伝えも生まれ、若者たちの心をときめかせてきました。
19世紀以降、産業化や都市化が進む中でも、ミッドサマーは“田舎の家族やコミュニティの絆”を再確認する大切な行事として受け継がれてきました。現在ではクリスマスと並ぶ国民的行事となり、スウェーデン人の多くが田舎や実家に帰省し、家族や友人とともに自然や伝統を祝う特別な日となっています。ミッドサマーは“本当の夏の始まり”として、スウェーデン人の心に深く根付いています。
参加者の声
日本からの留学生として初めて参加しましたが、子どもも大人もみんなで手をつないで踊る姿に感動。現地の家族にピクニックに招かれ、花冠作りも教わりました。食事も雰囲気も本当に温かかったです。
豆知識
- ミッドサマーの週末にはスウェーデン全土で6,000トン以上のイチゴが消費される。
- 「スモー・グロドーナ(小さなカエル)」の踊りは定番。みんなでカエルになりきってジャンプ!
- ミッドサマーは雨がつきもの。レインコートや長靴姿もよく見かけます。
- 「7種類の花を摘んで枕の下に入れると将来の伴侶の夢を見る」という言い伝えも。
開催日程
ミッドサマーは毎年6月19日~25日の金曜・土曜にスウェーデン全土で開催されます。
実際の様子

photo by Tina

photo by Hannes E.

photo by Blaise de la Croix

photo by xenia ayunova

photo by xenia ayunova

開催情報
名称 | 夏至祭 |
国 | スウェーデン |
エリア | ストックホルム, スカンセン野外博物館 |
開催時期 | 2026/06/18 - 2026/06/19 |
リンク |
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