お水取り
奈良東大寺に春を告げる、炎と祈りの伝統儀式
2026/02/28 - 2026/03/13
毎年3月、奈良の古都は東大寺二月堂の大松明の炎に包まれます。「お水取り」は1250年以上続く日本最古級の仏教行事で、夜空に揺れる炎と僧侶たちの読経、杉の香りが春の訪れを告げます。巡礼者や地元の人、観光客が集い、火と祈り、そして新しい季節への希望を五感で感じることができる特別な体験です。
毎年3月1日から14日まで東大寺二月堂で開催され、特に夜ごと行われる「お松明」は圧巻。仏教の伝統や歴史的な雰囲気、冬から春への神秘的な移ろいを体感したい方におすすめの行事です。
主な見どころ
お松明(おたいまつ)
お水取りの最大の見どころは「お松明」。長さ8メートルにもなる巨大な松明を僧侶が二月堂の舞台を駆け抜けると、火の粉が夜空に舞い、見上げる参拝者に降り注ぎます。火のはぜる音、杉の香り、炎の明かりが古い木造建築を照らし出し、幻想的な雰囲気を作り出します。火の粉を浴びると無病息災のご利益があると伝えられています。
主な儀式・イベント
お松明のほかにも、読経や声明が響く厳かな仏教儀式や、3月12日深夜の「お水取り」(若狭井からの聖水汲み上げ)が行われます。この聖水はご本尊に供えられ、参拝者にも分けられます。火と水、祈りが一体となり、春の到来と浄化を願う行事です。
衣装と装飾
僧侶たちは黒や白の法衣に身を包み、松明の炎に照らされながら堂内を動きます。二月堂は提灯や幟で彩られ、境内にはお香や杉の香りが漂い、祈りの声が静かに響きます。古い木造の舞台と炎のコントラストが印象的です。
伝統グルメ&ドリンク
参道にはよもぎ餅や焼き餅、甘酒などの屋台が並びます。焼きたての餅や甘い酒の香りが夜風に乗り、冷えた体と心を温めてくれます。
文化・歴史的背景
お水取り(正式名:修二会)は752年に始まった仏教の悔過法要で、国家安泰や五穀豊穣を願い、罪や穢れを祓うために行われてきました。聖水を汲み上げることで新しい一年の無病息災や幸福を祈願します。奈良の人々にとっては春を告げる希望の象徴であり、日本全国の人々にも親しまれる伝統です。
国の重要無形民俗文化財にも指定され、今も多くの参拝者や観光客に受け継がれています。
参加者の声
海外からこの行事を見るために来ました。火の粉を浴びながら杉の香りを感じ、何百年も続く伝統のエネルギーに圧倒されました。地元の方が“お水取りは奈良の春の始まり”と教えてくれて、地域の絆も感じました。
豆知識
- お水取りは1250年以上一度も途切れることなく続いています。
- お松明で使われる最大の松明は長さ8メートル、重さ40キロ以上にもなります。
- 火の粉を浴びると厄除けや無病息災のご利益があるといわれています。
- お水取りで汲み上げられる聖水は「若狭井」と呼ばれ、健康祈願のご利益があると信じられています。
開催日程
お水取りは毎年3月1日~14日、奈良・東大寺二月堂で開催されます。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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