阿波踊り
徳島の夜を揺らす、熱狂と笑顔の“踊る祭典”
2021/08/11 - 2021/08/14
毎年8月、四国・徳島市は「阿波踊り」でカラフルな舞台へと変わります。4日間にわたり、地元の人も観光客も、全国から集まった踊り手も、街を埋め尽くすように踊りと笑い、太鼓や笛のリズムに包まれます。お祭り好きも、初めての日本文化を体験したい旅行者も、家族連れも、阿波踊りは誰もが“輪”に加われる、心が弾む真夏の大イベントです。
開催は毎年8月12日〜15日、お盆と重なる時期。日が暮れると、徳島の街は提灯の明かりと祭囃子、踊り手たちの「踊る阿呆に見る阿呆…」の掛け声で一気に熱気を帯びます。屋台グルメの香り、浴衣や法被の手触り、祭りの高揚感が夜空に広がります。
主な見どころ
連の踊りパレード&“にわか連”体験
阿波踊りの醍醐味は、毎夜繰り広げられる「連(れん)」と呼ばれる踊りグループのパレード。地元の町内連からプロの有名連まで、各連が三味線や太鼓、笛、鉦の生演奏に合わせて独自の踊りを披露します。午後6時から10時ごろまで、数百の連・数万人の踊り手が市内の特設演舞場や商店街を練り歩き、観客も手拍子や掛け声で一体となります。
開幕式や有名連の演舞場ステージ「演舞場」、誰でも飛び入り参加できる「にわか連」なども人気。阿波踊りの合言葉「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損!」の通り、見るだけでなく一緒に踊れば楽しさ倍増です。
衣装・装飾・祭りの雰囲気
阿波踊りはまさに五感の祭り。女性は浴衣に編み笠、下駄、男性は法被や半ズボン、鉢巻姿など、各連ごとに個性的な衣装やカラーで彩られます。提灯や旗が夜空を照らし、拍手や歌、笑い声が響き渡ります。沿道の観客も一緒に手拍子や掛け声で祭りを盛り上げます。
文化・歴史的背景
阿波踊りの歴史は400年以上にわたります。最も有名な起源説は、1586年、徳島城の完成を祝う宴で藩主・蜂須賀家政公が町民に酒を振る舞い、人々が即興で踊り騒いだことが始まりとされるものです。この時、町中が解放され、身分や年齢を問わず皆が一体となって踊ったと言われています。また、もうひとつの有力な説として、お盆の時期に先祖の霊を慰める「盆踊り」が阿波の地で独自に発展し、より陽気で自由なスタイルへと変化していったというものがあります。江戸時代には「阿波の風流踊り」として全国に名が知られ、明治・大正期には禁止令が出るほどの熱狂ぶりを見せましたが、そのたびに市民の力で復活し、伝統が守られてきました。
戦後は徳島市を中心に大規模な観光イベントとして発展し、今では毎年130万人以上を集める日本最大級の踊りの祭典となっています。徳島の人々にとって阿波踊りは、単なる夏のイベントではありません。喜びや追悼、出会いと別れ、家族や友人との絆、地域コミュニティの力を祝う“生きた伝統”であり、世代を超えて受け継がれるアイデンティティそのものです。踊りのリズムや掛け声、衣装や演奏に込められた思いは、徳島の歴史や文化、そして「みんなで楽しむ」という精神を今に伝えています。
参加者の声
子どもに本物の日本文化を見せたくて連れてきました。衣装や音楽に夢中になり、“にわか連”で一緒に踊ったのが最高の思い出です。
豆知識
- 徳島市内の「阿波おどり会館」では一年中、実演や体験コーナーが楽しめます。
開催日程
阿波踊りは毎年8月12日〜15日に徳島市中心部で開催されます。夜の演舞場やパレードが最大の見どころ。夏の徳島の熱気をぜひ体感してください。
開催が近いお祭り
龍船節(杭州ドラゴンボートフェスティバル) 中国
湿地が奏でる櫂と伝統の交響曲
2025/05/30ダナン国際花火大会 ベトナム
ハン川に響く光と音のシンフォニー
2025/05/31龍船節(岳陽国際ドラゴンボートフェスティバル) 中国
櫂と伝統のリズミカルな交響曲
2025/05/31リスボン祭り ポルトガル
光とサルディーニャと夏の歌があふれる、ポルトガル最大の路上フェス
2025/06/01共和国記念日(フェスタ・デッラ・レプッブリカ) イタリア
イタリア民主主義を祝う三色の祭典
2025/06/01ガワイ・ダヤク マレーシア
サラワクの大地に響く、収穫と再会の祝祭
2025/06/04テキルダー・チェリーフェスティバル トルコ
夏の甘美な交響曲
2025/06/05ハリ・ラヤ・ハジ マレーシア
祈りと分かち合いが満ちる、マレーシアの犠牲祭
2025/06/11聖アントニオ祭り(いわし祭り) ポルトガル
リスボンが恋とサルディーニャに染まる、初夏の祝祭
2025/06/11聖アントニオ祭り(いわし祭り) ポルトガル
リスボンが恋とサルディーニャに染まる、初夏の祝祭