オナム祭
ケーララの大地と心が実る、色彩と伝統の収穫祝祭
2026/08/13 - 2026/07/23
毎年8月から9月、南インド・ケーララ州は「オナム祭り」で10日間にわたり歓喜に包まれます。伝説の王マハーバリの帰還と豊かな収穫を祝うこの祭りでは、家庭や寺院、街角に色鮮やかな花の絨毯が敷かれ、太鼓や笑い声が響き、家族や友人が集い合います。旅人も地元の人も、ケーララのもてなしと芸術、そして一体感を全身で味わえる特別な季節です。
湖で繰り広げられる蛇舟レース、ジャスミンやココナッツの香り、家々の扉を飾るフラワーカーペット…オナムは五感を刺激する祝祭。どの家庭も扉を開き、村ごとに伝統遊びや舞踊が行われ、ケーララ全体が大きな家族のような温かさに包まれます。
主な見どころ
プーカラム:花の絨毯アート
オナム期間中、毎朝家族みんなでマリーゴールドやジャスミン、菊などの花びらを使い、玄関先に色鮮やかなプーカラム(花の絨毯)を作ります。日ごとに模様が大きく美しくなり、近所同士でデザインを競い合うことも。街中が花の香りで満たされます。
ヴァッラムカリ:蛇舟レース
ケーララの湖や川では、全長30メートルを超える蛇舟(チャウナンボート)が100人近い漕ぎ手によって競われます。太鼓のリズムと観客の歓声が響く中、アラップーザのネイル・トロフィー・レースは特に有名。村ごとに行われるレースも熱気に包まれます。
オナサディヤ:伝統のベジタリアンごちそう
オナム最大の楽しみは、バナナの葉に盛られる最大26品ものベジタリアン料理「オナサディヤ」。サンバルやアヴィヤル、バナナチップス、甘いパヤサムなど、ココナッツやスパイスの香りが食卓を彩ります。家族みんなで一緒に食べることが平等と絆の象徴です。
伝統遊びと舞踊
村では綱引きや弓矢、武術「オナタル」など伝統競技が開催されます。女性たちの輪舞「ティルヴァティラカリ」や、虎に扮した男性たちの「プリカリ(虎踊り)」、仮面劇「カタカリ」も見どころ。太鼓の音と笑い声がどこまでも響きます。
衣装とデコレーション
オナムはエレガントな装いの祭り。女性は金縁のクリーム色カサヴサリーにジャスミンの花飾り、男性は白いムンドゥ(民族衣装)姿。家や寺院はプーカラムやバナナの葉、ランプ、花輪で飾られ、街全体が華やかに彩られます。
文化・歴史的背景
オナムの起源は1000年以上前の農耕社会と、平等と繁栄をもたらした伝説の王マハーバリにまつわる神話にあります。ヴィシュヌ神によって地下界に送られたマハーバリ王が、年に一度だけ民のもとに戻ることを許されたという物語が、オナムの精神の核。ヒンドゥー神話とケーララの収穫文化が融合した祭りです。
現代のオナムは、家族や伝統、寛容と感謝の心を大切にするケーララの象徴。宗教や階層を超え、ケーララ全土で祝われる“みんなの祭り”として、地域の一体感と喜びを体現しています。
参加者の声
地元の家族に招かれてオナサディヤを一緒に食べ、カサヴサリーを着せてもらい、プリカリにも挑戦!色と味、温かさが忘れられません。
豆知識
- オナサディヤは最大26品目ものベジタリアン料理がバナナの葉に盛られる。
開催日程
オナム祭りは毎年8月〜9月、ケーララ州全域で開催されます。特にサプタミからダシャミの5日間は街全体がアート・音楽・儀式・人々の熱気で満ちあふれ、人生で一度は体験したいインド最大級の祝祭です。
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