デヴ・ディーパワリ
ガンジス川が100万の灯りで輝く夜
2025/11/08
毎年11月、インドの古都バラナシは「デヴ・ディーパーワリー(神々のディワリ)」の幻想的な光に包まれます。この特別な夜、ガンジス川沿いのガートには100万を超える素焼きランプ(ディヤ)が灯され、揺れる炎が聖なる川面に映り込みます。祈りの歌や鐘の音、花火が夜空を彩り、訪れる人々を神聖で美しい世界へと誘います。インドの精神文化を肌で感じたい人には、まさに一生に一度は体験したい壮大な祭典です。
デヴ・ディーパーワリーは、毎年11月の満月の夜(ヒンドゥー暦カルティック月のポールニマ)、バラナシのガート一帯で開催されます。巡礼者や写真家、スピリチュアルな旅人、そして世界中の観光客が、この幻想的な光景と活気あふれる祝祭を目当てに集まります。
主な見どころ
ガートの灯明
祭りの最大の見どころは、80以上のガートの石段に100万個以上のディヤ(素焼きランプ)が並び、夕暮れとともに一斉に点灯される光景です。ボランティアや僧侶、家族連れが協力して灯りを並べ、ガンジス川の川面が黄金色に輝きます。ギー(精製バター)が燃える香りやマリーゴールドの花飾り、ランプのぬくもり、寺院の鐘の音やマントラの響きが、心を穏やかに包み込みます。
ガンガー・アールティと儀式
夜が更けると、サフラン色の衣をまとった僧侶たちが、巨大なランプを振りながらガンガー女神への祈り(アールティ)を奉納します。法螺貝の音や線香の香り、僧侶たちのシンクロした動きに、数千人の観客が見入ります。祈りの後は花や灯明を川に流し、平和と繁栄を願います。
花火と文化パフォーマンス
儀式の後は、川面に映る色鮮やかな花火が夜空を飾ります。ガート沿いの特設ステージでは、シタールやタブラの演奏、古典舞踊や民俗芸能も披露され、訪れた人々の笑い声や巡礼者の語らいが夜遅くまで続きます。線香や甘いお菓子、ストリートフードの香りが漂い、五感を刺激する祭りの夜です。
衣装と装飾
女性は金糸の刺繍が美しいサリー、男性はクルタや伝統的なドーティ、子どもたちは新調したカラフルな服で駆け回ります。ガートはマリーゴールドの花輪やランゴリ(色粉で描く模様)、イルミネーションで彩られ、花びらを踏みしめる感触や石段の冷たさ、シルクやコットンの手触りもまた祭りの一部です。
伝統料理&ドリンク
屋台にはバラナシ名物のカチョリ・サブジ(スパイスたっぷりの揚げパンとカレー)、ジャレビ(シロップ漬け揚げ菓子)、マライヨ(サフラン入りのふわふわミルク)、熱々のチャイなどが並びます。スパイシー&スイートな味わい、夜風と線香の香りが混ざり合い、心もお腹も満たされます。
文化・歴史的背景
デヴ・ディーパーワリーは、ヒンドゥー神話で神々がガンジス川に降り立ち、地上を祝福した日とされます。バラナシでは20世紀半ばから盛大に祝われるようになりましたが、その起源はさらに古く、祖先供養や感謝、ガンジス川との神聖な絆を再確認する大切な行事です。灯明を灯すことは「闇に打ち勝つ光」と「新しい希望」の象徴でもあります。
参加者の声
フランスからこの祭りを見るために来ました。ボランティアでディヤを並べたり、現地の人とお菓子や思い出を分かち合ったり…夜の美しさと優しさに心を打たれました。
豆知識
- 祭り期間中、80以上のガートに100万個超のディヤが灯されます。
- デヴ・ディーパーワリーは「神々のディワリ」とも呼ばれ、バラナシ特有の祭りです。
- 多くの人がボートから川沿いの灯りを鑑賞し、幻想的な光景を楽しみます。
開催日程
デヴ・ディーパーワリーは毎年、ヒンドゥー暦カルティック月の満月の夜にバラナシで開催されます。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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