ヴルストマルクト

毎年9月、ドイツ南西部のワイン名産地・ファルツ地方（ドイツ語で「パラティネート」とも呼ばれる）の温泉町バート・デュルクハイムは、「ヴルストマルクト（Wurstmarkt）」の熱気に包まれます。世界最大のワイン祭りとして知られるこのイベントは、2週末・計9日間にわたり60万人以上が集い、巨大なデュルクハイマー樽のもとで地元ワインや香ばしいソーセージ、音楽、花火、移動遊園地の賑わいを楽しみます。ワイン好きもグルメも、ドイツ文化の本場を味わいたい人も、誰もが歓迎される“ファルツ（パラティネート）流のおもてなし”がここにあります。

0.5リットルの「ショッペン」グラスがぶつかる音、焼き豚やグリルソーセージの香り、木のベンチで響く笑い声…ヴルストマルクトは、地元の人も旅人も肩を並べて語り合い、ドイツ有数のワイン産地・ファルツ地方（パラティネート）の本当の魅力を発見できる祭りです。

ワイン屋台とシュブカールシュタンド、ワイン村

フェスティバルテント、ライブ音楽、移動遊園地の魔法

伝統料理とグルメの饗宴

ヴルストマルクトの起源は600年以上前、1417年に遡ります。当時は農民やワイン農家が聖ミカエルの日の巡礼者に収穫物を売るため、ミヒャエルスベルクのふもとに集まったのが始まりでした。もともとは「ミヒャエリスマルクト」と呼ばれ、規模が拡大するにつれて市場広場へと移り、1832年には毎年消費される大量のソーセージにちなんで「ヴルストマルクト」と改名されました。時を経て、地元ワイン・食・コミュニティの祝祭として進化し、今ではファルツ地方最大の社交イベントとなっています。

現在のヴルストマルクトは、単なる祭りを超えた“生きた伝統”であり、地域の誇りそのものです。地元の人々にとっては“第5の季節”とも呼ばれ、毎年旧友と再会し、新しい出会いに乾杯し、大地の恵みを分かち合う特別な時間。素朴な温かさ、食文化の豊かさ、オープンなホスピタリティは世代を超えて受け継がれ、国内外から多くのリピーターを惹きつけています。

ワイン目当てで来たけれど、雰囲気の良さにすっかりはまってしまいました。シュブカールシュタンドで見知らぬ人と肩を並べ、グラスを合わせてバンドの歌に一緒に合唱。観覧車から見た花火は本当に魔法のようで、こんなに歓迎されたフェスは初めてです。

• 「ソーセージ市場」という名前ですが、実は世界最大のワイン祭りで、300種類以上の地元ワインと多数の屋台が並びます。
• 入場無料ですが、屋台やアトラクションは現金のみのことが多く、ATMは混雑します。

ヴルストマルクトは毎年9月第2・第3週末に、バート・デュルクハイム（住所：Große Allee 504, 67098 Bad Dürkheim）のデュルクハイマー・リーゼンファス隣で開催されます。詳細は公式サイト（www.duerkheimer-wurstmarkt.de）をご参照ください。