カンシュタット・フォルクスフェスト

毎年秋になると、シュトゥットガルトのカンシュタッター・ヴァーゼンは、カンシュタット・フォルクスフェストの開幕とともに、色鮮やかな装飾と音楽、そして笑い声であふれます。ミュンヘンのオクトーバーフェストに次ぐ世界第2位の規模を誇るこのビール祭りは、17日間で400万人以上が訪れる一大イベント。ビールだけでなく、迫力満点の移動遊園地、地元シュヴァーベン料理、そして200年以上続く伝統が融合し、家族連れもグルメも旅行者も、誰もが楽しめる秋の風物詩です。

ネッカー川沿いのバート・カンシュタット地区に広がる25ヘクタールのヴァーゼン会場は、年齢を問わず誰もが夢中になれる巨大な遊園地に変身します。ローストアーモンドや焼きソーセージの香ばしい匂い、きらめくイルミネーション、華やかな民族衣装…地元の人も観光客も一緒になって収穫の喜びとコミュニティの絆を分かち合い、一生の思い出を作る場所です。

巨大ビールテント、アトラクション、フルーツ柱

パレード、花火、ファミリーデー

伝統衣装とデコレーション

シュヴァーベン料理と地元ドリンク

カンシュタット・フォルクスフェストの始まりは1818年。タンボラ火山の噴火による冷害と飢饉を乗り越えた後、ヴュルテンベルク王ヴィルヘルム1世が地域経済の復興と収穫の喜びを祝うために創設しました。最初は馬術大会や家畜品評会を中心とした素朴な農業祭でしたが、1841年には1万人の参加者と10万人の見物客を集めた大規模なパレードが行われ、果物や穀物で飾られた「フルーツ柱」が祭りの象徴となりました。

その後200年以上にわたり、カンシュタット・フォルクスフェストはシュヴァーベンとバイエルンの伝統、そして現代的な遊園地文化が融合したドイツ最大級の民俗祭へと発展。戦争や経済危機を乗り越え、今も毎年数百万人が集う「第5の季節」として親しまれています。地元の人にとっては、たくましさやコミュニティの絆、大地の恵みを祝う特別な時間。旅行者にとっては、南ドイツ文化の真髄に触れ、誰もが歓迎される場所です。

会場の雰囲気は圧巻。どこを見てもみんなが歌い、踊り、ジョッキを掲げていました。夕暮れの観覧車から見下ろすシュトゥットガルトの街は本当に美しく、最後は地元の人たちとテーブルを囲んでマウルタッシェンを食べながら、ドイツ語が分からなくても大笑い。まるで家族の一員になった気分でした。

• 毎年約400万人が訪れるドイツ第2位、ヨーロッパ最大級のフォルクスフェスト。
• 1818年から続く「フルーツ柱」は高さ26メートル、3トン以上の果物・野菜・穀物で飾られます。

カンシュタット・フォルクスフェストは毎年9月下旬から10月中旬、シュトゥットガルトのバート・カンシュタット地区ヴァーゼン会場で開催。入場無料ですが、週末や夜のビールテントは予約推奨です。