トビリソバ
街の鼓動と誇りを祝う、トビリシの秋祭り
2026/10/02 - 2026/10/03
毎年秋、ジョージアの首都トビリシの街角や公園が、トビリソバという華やかな祭りで一変します。10月の週末、旧市街の石畳やリケ公園には音楽と笑い声があふれ、焼きたてパンやケバブの香ばしい匂いが漂います。地元の人も観光客も一緒になって、トビリシの歴史、多様性、そして温かなもてなしの心を祝い合います。
トビリソバは毎年10月上旬から中旬に開催され、家族連れや友人同士、世界中からの旅行者まで誰でも大歓迎。民族舞踊や自家製ワインの試飲、街の鼓動そのものを感じることができるこの祭りは、五感でトビリシの魅力を体験できる特別な機会です。
主な見どころ
野外コンサートと民族芸能
リケ公園やメテヒ橋、旧市街の広場など街中に設けられた特設ステージでは、伝統的な多声音楽や民族舞踊、地元バンドのパフォーマンスが繰り広げられます。太鼓のリズム、衣装のきらめき、観客の歓声が街全体にエネルギーを与えます。
パレードと華やかな行列
トビリソバの目玉は、ぶどうやザクロ、街のシンボルで飾られた山車が練り歩く大パレード。ブラスバンドや民族衣装の子どもたち、多民族のパフォーマーたちが街を彩り、アルメニア系やアゼルバイジャン系、ロシア系など多文化都市トビリシならではの多様性が感じられます。
主なイベント
期間中はワインの試飲や職人市、パン焼きや絨毯織りなどのワークショップも充実。スポーツ大会や子ども向けゲーム、ぶどう踏みコンテストも人気です。名誉市民の表彰や夜空を彩る花火も恒例となっています。
衣装と装飾
祭りの参加者は、刺繍が美しい民族衣装やチョハ(伝統のウールコート)に身を包みます。屋台やステージはカラフルなバナーやぶどうのつる、秋の花で飾られ、ビロードや銀のアクセサリー、収穫かごの鮮やかな色彩が会場を彩ります。
伝統グルメ&ドリンク
街中がグルメ天国に変わり、ケバブ(ムツヴァディ)や焼きたてのハチャプリ、くるみ入りぶどうキャンディ「チュルチヘラ」などが並びます。焼き肉やハーブ、発酵ワインの香りが漂い、自家製ワインもふるまわれます。どの食卓も、ゆっくりと語り合い乾杯しながら、トビリシの豊かさを味わう場となります。
文化・歴史的背景
トビリソバは1979年、当時のソビエト連邦下で「トビリシ建都の日」として初めて開催されました。きっかけは、都市の長い歴史と多文化性、そして市民の誇りを祝うために、トビリシ市の創建記念日を市民みんなで楽しむ新しい伝統を作ろうという動きでした。旧市街の広場や公園、川沿いのエリアを舞台に、ジョージア各地の民族芸能や郷土料理、音楽、ダンス、パレードなどが一堂に会し、首都の多様性と活気を体感できる大規模イベントとなりました。
ソ連時代には、民族色豊かな祭りや自由な表現が制限されていた中で、トビリソバは市民が自分たちの文化的ルーツや地域の誇りを再確認する貴重な機会となりました。1991年の独立以降は、トビリシの復興や新しい時代の到来を象徴する祭りとして定着し、戦争や困難の時代にも市民の絆や希望をつなぐ役割を果たしてきました。
今では、トビリソバは単なる都市祭りを超え、世代や民族、地域を越えて人々が集い、トビリシの歴史や多様性、そして温かなもてなしの心を分かち合う「生きた都市の精神」の象徴です。古い街並みも新しい公園も、みんなが思い出と喜びを分かち合う舞台となり、トビリシの誇りと未来への希望を次世代に伝える大切な文化遺産となっています。
参加者の声
トビリソバに合わせてトビリシを訪れたら、街の熱気に圧倒されました。路上で踊り、手作りワインを味わい、地元の人と歴史を語り合って…まるで大きな家族の宴に加わった気分でした。
豆知識
- 「トビリソバ」は「トビリシ」とジョージア語の「-オバ(~の日)」を組み合わせた名前。
- 祭りの期間中、街に貢献した人に「名誉市民」の称号が贈られる。
開催日程
トビリソバは毎年10月の第1または第2週末にトビリシ市内各所で開催されます。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
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