ムツヘトバ・スヴェティツホヴロバ

信仰と伝統が息づく、ジョージアの聖なる祝祭


2025/10/13 - 2025/10/14

毎年秋、ジョージアの古都ムツヘタが「ムツヘトバ・スヴェティツホヴロバ」の祭りで活気にあふれます。黄金色のスヴェティツホヴェリ大聖堂の下、空気は香の煙と鐘の音、数千人の祈りと祝福の声で満たされます。この祭りは、厳かな宗教儀式とにぎやかな民俗の祝祭が融合した特別な日。巡礼者や家族連れ、旅行者が国内外から集い、信仰と伝統、地域の絆を体感します。

ムツヘトバ・スヴェティツホヴロバは毎年10月中旬に開催され、ジョージアの深いキリスト教文化や歴史的な町の雰囲気を味わいたい人にぴったり。信仰心のある人も、歴史好きも、古都の空気を肌で感じたい人も、心に残る体験が待っています。

主な見どころ

スヴェティツホヴェリ大聖堂と宗教儀式

祭りの中心は、中世建築の傑作であり東方正教会の聖地のひとつ、スヴェティツホヴェリ大聖堂での盛大な典礼です。石造りの堂内には合唱の歌声が響き、蜜蝋キャンドルや香の香りが漂い、信者たちは聖遺物に列をなして祈りを捧げます。聖職者たちが豪華な祭服でアイコンや旗を掲げて行進する姿は、厳かで美しく、誰の心にも深く残ります。

民俗芸能と野外フェスティバル

大聖堂の外では、ムツヘタの街が一気にお祭りムードに。伝統楽器の音色や民謡、カラフルな民族衣装のダンサーたちが野外ステージで舞い、石畳の通りには職人の工芸品やお土産が並びます。子どもたちの笑い声や手拍子、焼き肉やチュルチヘラ(くるみ入りぶどうキャンディ)の甘い香りが、明るく温かな雰囲気を作り出します。

主なイベント

収穫の祝福や市民の大宴会、地方の民俗アンサンブルによるパフォーマンスが見どころ。歴史劇やムツヘタの伝説を語る昔話会、イコン画や伝統工芸のワークショップも人気です。夕暮れには大聖堂がライトアップされ、街中にキャンドルやランタンの灯りがともり、静かな祈りと祝福の空間が広がります。

衣装と装飾

聖職者は刺繍が美しい祭服をまとい、民俗芸能の出演者はサッシュやビーズ、スカーフで飾られた地方衣装で登場します。街や大聖堂は生花やぶどうのつる、カラフルなバナーで飾られ、石造りの手触りや金色のアイコン、香や焼きたてパンの香りが祭りの五感を刺激します。

伝統グルメ&ドリンク

屋台ではヒンカリ(水餃子)、ムツヴァディ(串焼き肉)、ロビオ(豆の煮込み)、焼きたてパン、チュルチヘラなどが並びます。焼き肉やハーブ、甘いお菓子の香りが漂い、地元ワインもふるまわれます。どの食卓も健康や豊穣を祈りながら、地域の恵みを分かち合います。

文化・歴史的背景

ムツヘトバ・スヴェティツホヴロバは、ジョージア最古のキリスト教伝承に根ざした祭りで、「生命の柱(スヴェティツホヴェリ)」の奇跡と、古都ムツヘタが宗教的中心地であった歴史を記念しています。中世から続くこの祭りには、全国から巡礼者が集まり、大聖堂の聖遺物に祈りを捧げ、収穫や新しい年の祝福を願う伝統があります。

ジョージアの人々にとってムツヘトバは単なる宗教行事ではなく、国の団結や精神的な再生、文化的誇りの象徴です。世代を超えて伝統儀式が受け継がれ、ムツヘタは今も「ジョージア正教のゆりかご」として人々の心の拠り所となっています。現代では、家族や友人、地域が一堂に会する“心のふるさと”としても親しまれています。

参加者の声

「祖母と一緒にムツヘトバに参加した思い出は忘れられません。ふたりでろうそくを灯し、合唱を聴き、祖母が子どもの頃の大聖堂の話をしてくれて…自分のルーツと深くつながる時間でした。」 ― ニノ(トビリシ)
「私は正教徒ではありませんが、儀式の美しさと人々の温かさに心を打たれました。礼拝後に地元の人とパンとワインを分かち合ったのが旅のハイライトでした。」 ― アレックス(イギリスからの旅行者)
「ムツヘトバは家族の再会の時間。毎年いとこたちとムツヘタで集まり、パレードを見て民謡ダンスに参加します。いつか自分の子どもにもこの伝統を伝えたいです。」 ― ギオルギ(ルスタビ)

豆知識

  • スヴェティツホヴェリ大聖堂にはキリストの聖衣が納められていると伝えられ、正教会世界でも特に聖なる場所とされる。
  • ムツヘタは5世紀まで古代イベリア王国の首都だった。
  • 祭り名は「ムツヘトバ(ムツヘタの日)」と「スヴェティツホヴロバ(生命の柱の日)」を組み合わせたもの。
  • この祭りはジョージアの無形文化遺産にも登録されている。

開催日程

ムツヘトバ・スヴェティツホヴロバは毎年10月14日〜15日にムツヘタで開催されます。

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実際の様子

Tokyo

photo by jb


開催情報

名称 ムツヘトバ・スヴェティツホヴロバ
ジョージア
エリア ムツヘタ
開催時期 2025/10/13 - 2025/10/14
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