カルガリー・スタンピード
カルガリー・スタンピード:カウボーイの魂が弾ける、カナダ西部最大の熱狂
2026/07/02 - 2026/07/11
毎年7月、カナダ・アルバータ州カルガリーの街は「カルガリー・スタンピード」の10日間、色と音とカウボーイスピリットに包まれます。「地上最大のアウトドアショー」とも呼ばれるこの祭りには、カナダ中や世界から140万人以上が集まり、ロデオの興奮、移動遊園地の賑わい、そして西部開拓時代の伝統を全身で体験します。誰もが五感で“カナディアン・ウエスト”を味わえる夏の一大イベントです。
ロデオのスタートを告げるピストルの音、朝の空気に漂うパンケーキの甘い香り、カウボーイブーツとテンガロンハット姿の人々…カルガリーの街全体がエネルギーとおもてなしにあふれ、観光客も地元民も一緒になって踊り、食べ、応援し、開放的な雰囲気を楽しみます。
主な見どころ
極限のスリル!ロデオ、グランドスタンドショー、パレード
スタンピード最大の目玉は毎日午後にGMCスタジアムで開催されるロデオ。北米トップクラスのカウボーイ&カウガールが、ブルライディングやステアレスリング、バレルレーシングなどで技と度胸を競い、観客席は歓声と砂ぼこりに包まれます。ロデオは伝統とスリルの象徴で、連日満員の人気です。
夜はグランドスタンドショーが音楽やダンス、アクロバット、そして花火でフィナーレを飾ります。毎年テーマが変わる華やかなショーは、カナダの才能と国際色が融合した大スペクタクル。初日のパレードも必見で、マーチングバンドやフロート、馬、先住民のダンサーや地元セレブが街を練り歩き、祭りの幕開けを盛り上げます。
夢と冒険のカーニバル
スタンピードのミッドウェイは移動遊園地の夢の世界。ネオン輝くライドやゲーム、ディープフライドオレオやピクルスレモネード、BBQリブなど“攻めた”グルメも話題です。エルボーリバーキャンプ(旧インディアン・ビレッジ)は先住民文化の生きた展示で、ティーピー見学や伝統舞踊、工芸体験ができます。西部オアシスはアート展示やワインテイスティング、カウボーイ詩の朗読など、静かに西部文化を味わえる大人の空間です。
街全体がドレスアップ
スタンピードといえばカウボーイスタイル。ブーツとハット、ジーンズ、ビッグベルトバックル、チェックシャツが定番で、地元民も観光客も誇らしげに着こなします。街中も西部風の壁画や干し草、旗やバナーでデコレーションされ、誰もが“カウボーイ気分”で祭りに参加します。
朝から夜まで食の祭典!スタンピード名物フード
スタンピードはグルメ天国。朝は街のあちこちで無料パンケーキ朝食がふるまわれ、メープルシロップとソーセージの香りに人々が集まります。会場内ではコーンドッグやミニドーナツ、各国の屋台料理、グルメBBQまでバラエティ豊か。伝説の「イワシの夜」では炭火焼きイワシと地元ワインを楽しみ、音楽と笑い声が夜まで響きます。
文化・歴史的背景
カルガリー・スタンピードの起源は1886年、カルガリー農業協会が地域の農業や牧畜をPRし、新しい入植者を呼び込むために開催した最初の農業博覧会にさかのぼります。20世紀初頭にはカルガリーは急成長を遂げ、西部開拓時代の精神がすでに街のアイデンティティの一部となっていました。1912年、アメリカ人トリックローパーのガイ・ウィーディックが「西部牧場文化への壮大なオマージュ」を夢見てカルガリーにやって来ます。地元の有力牧場主4人(バーンズ、クロス、マクリーン、レーン、通称「ビッグ・フォー」)の支援を受け、最初のスタンピードが開催されました。6日間の「フロンティア・デイズ&カウボーイ選手権大会」には当時の人口の2倍、8万人以上が集まりました。
第1回スタンピードでは、全米・カナダ・メキシコからカウボーイや牧場主、トリーティ7の先住民族1,800人を含むパレードが行われ、競技ロデオも大盛況。大戦中の中断を経て、1919年にはカナダ兵の帰還を祝う「ビクトリー・スタンピード」も開催されました。
1923年には1886年から続くカルガリー博覧会とスタンピードが合流し、「カルガリー・エキシビション&スタンピード」として毎年恒例に。ウィーディックは市民にウエスタン衣装を着て街を飾ることを呼びかけ、初のチャックワゴンレースも登場し大人気に。大恐慌も乗り越え、今では世界最大級のロデオ&フェスティバルへと成長し、毎年100万人以上を動員しています。
スタンピードは単なる祭りではなく、アルバータの開拓者精神、多様性、レジリエンスを象徴する“生きた文化遺産”です。エルボーリバーキャンプ(旧インディアン・ビレッジ)は1912年からスタンピードの中心的存在で、トリーティ7部族が伝統文化を紹介し続けてきました。政府による先住民文化の制限があった時代も、スタンピードの場では文化継承が守られてきたのです。地元の人々にとってスタンピードは誇りであり、コミュニティの再会とおもてなし、そして「カウタウン」「スタンピード・シティ」としてのカルガリーのアイデンティティそのものです。
参加者の声
子どもを連れて初めて行きました。ミッドウェイの乗り物やゲームに夢中、エルボーリバーキャンプで先住民文化も体験できて、誰もが歓迎されるお祭りだと実感しました。
豆知識
- パンケーキ朝食は1923年から続く伝統で、市内各地で毎日数万人分が無料で提供されます。毎朝3万5千枚以上のパンケーキが焼かれます。
カルガリー・スタンピードは毎年7月、カルガリーのスタンピードパークで開催。朝のパンケーキから夜の花火まで、ブーツとハットで“カナディアン・ウエスト”の熱気に飛び込んでください!
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