カザンラクのバラ祭り

香りと色彩、伝統が響き合うブルガリア・バラの谷の祝祭


2026/05/31 - 2026/06/06

毎年6月、ブルガリア中部の町カザンラクは、世界的に有名な「薔薇祭り」で一面が花と喜びに包まれます。果てしなく続くピンク色のバラ畑を背景に繰り広げられるこの祭りは、五感すべてで楽しめる体験。誰もが、バラの収穫や何世代にもわたる伝統の美しさに心を奪われるはずです。夜明けの露に濡れたバラの花びらを摘み、陽気なパレードに参加し、バラを使ったスイーツを味わう…そんな夢のような体験がここにあります。

朝露に濡れたバラのやわらかな感触、フォーク音楽のリズム、空気を満たすローズウォーターの甘い香り。カザンラクの薔薇祭りは、年齢や国籍を問わず、ブルガリアが誇るバラの魅力を全身で味わえる祝祭です。

主な見どころ

ローズクイーン戴冠式

祭りのハイライトはローズクイーンの戴冠式。地元の若い女性たちがその座を競い、選ばれたクイーンは音楽や踊り、盛大な拍手の中で戴冠されます。ローズクイーンは美と伝統の象徴として、パレードや各種イベントの主役を務めます。

パレード&フォークパフォーマンス

町のメインストリートでは、バラで飾られた山車や、刺繍衣装に身を包んだダンサー、伝統音楽を奏でる楽団が次々と登場。スカートが舞い、太鼓が鳴り響き、何千人もの観客の歓声が街を包みます。

バラ摘み体験

夜明けとともに始まるバラ摘み体験は、地元の人も観光客も一緒に参加できる人気イベント。朝のひんやりした空気にバラの香りが広がり、手でそっと花びらを摘む感覚は、何世代にもわたり受け継がれてきた伝統を肌で感じる瞬間です。

クラフト市&ローズオイルワークショップ

祭り期間中はクラフト市やワークショップも充実。バラの蒸留実演や、ローズオイルを使った製品の試食・試用、ブルガリア民芸品の展示など、ものづくりの技と美しさに触れられます。

伝統グルメ&ドリンク

地元名物のバニツァ(チーズパイ)、グリル肉、そしてバラ風味のスイーツやローズリキュール、ローズレモネードなど、ここでしか味わえないグルメも盛りだくさん。焼きたてパンや肉の香ばしさ、バラの甘い香りが会場を包みます。

文化・歴史的背景

カザンラクの薔薇祭りの歴史は、ブルガリアがオスマン帝国の支配下にあった18世紀初頭にまでさかのぼります。この頃、現在「バラの谷」と呼ばれるカザンラク周辺でダマスクローズの本格的な栽培が始まりました。カザンラク地方は、朝晩の寒暖差と豊かな土壌、適度な降雨という気候条件が揃い、バラの栽培に理想的な土地として発展しました。

19世紀には、バラの花びらから抽出されるローズオイルがヨーロッパやオスマン帝国に輸出されるようになり、カザンラクは世界有数のローズオイル生産地として知られるようになります。ローズオイルは香水や化粧品、医薬品の原料として高い価値を持ち、「液体の黄金」とも呼ばれました。

薔薇祭り自体は20世紀初頭、バラの収穫期を祝う地元の小さなイベントとして始まりましたが、次第に規模が拡大し、1930年代には町をあげての大きな祭典となりました。祭りはバラ農家の労働や伝統を称え、地域経済の発展とカザンラクのアイデンティティを象徴するものとして定着していきます。

現在では、薔薇祭りは単なる収穫祭ではなく、ブルガリアの文化と美、そして世界中の人々との交流の場として発展し、毎年10万人以上の観光客が訪れる国際的なイベントとなっています。バラ摘みやローズクイーンの戴冠式、伝統音楽やダンスなどを通じて、地域の誇りと歴史が次世代へと受け継がれています。

参加者の声

昨年6月にカザンラクの薔薇祭りを訪れました。町に着いた瞬間からバラの甘い香りに包まれ、ローズクイーンの戴冠式や伝統音楽に感動。早朝のバラ摘み体験はとても静かで美しく、現地の文化と深くつながることができました。

豆知識

  • カザンラクは「バラの都」と呼ばれ、世界のローズオイル生産の7割以上を占める。
  • ここで作られるローズオイルは世界の高級香水の原料として使われている。
  • 祭りでは美とバラの象徴としてローズクイーンが選ばれる伝統がある。

開催日程

カザンラク薔薇祭りは毎年6月初旬、ブルガリア・カザンラクで開催されます。最新の日程や詳細は公式観光サイトをご確認ください。

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実際の様子


開催情報

名称 カザンラクのバラ祭り
ブルガリア
エリア カザンラク
開催時期 2026/05/31 - 2026/06/06
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