リオのカーニバル

世界が憧れる色彩と歓喜のダンス


2026/02/12

毎年2月、リオ・デ・ジャネイロの街は「カーニバル」の熱狂に包まれます。5日間にわたり、サンバのリズムが街中に響き渡り、羽根やスパンコールで彩られた衣装が太陽の下できらめき、屋台料理の香りと大西洋の潮風が混ざり合います。初めて訪れる人も地元のカリオカ(リオっ子)も、世界最大級のストリートパーティーの一員となり、誰もが主役になれる祭典です。

メインイベントはリオのサンボドロモ(サンバ専用スタジアム)や市内各地で開催され、1日あたり200万人以上が参加します。音楽好き、ダンス好き、写真好き、パーティー好き…誰もがブラジルの鼓動を体感できる夢のような時間です。

主な見どころ

サンボドロモのサンバパレード

カーニバルの頂点は、サンボドロモ・マルケス・デ・サプカイで行われるサンバパレード。リオを代表するトップサンバチームが、最大4,000人のダンサーや巨大な山車、羽根やスパンコール、ラインストーンで飾られた衣装で競い合います。700メートルのパレード会場に鳴り響く太鼓、観客の大歓声、色と動きが渦巻く光景は圧巻です。

ブロッコス・ジ・フア(ストリートパーティー)

リオの街中では500以上の「ブロッコ」と呼ばれるストリートパーティーが広場や通りを埋め尽くします。それぞれテーマやバンドがあり、サンバはもちろん、ファンクやポップ、伝統的なカーニバルソングまで様々な音楽が楽しめます。紙吹雪や笑い声、ビールやカイピリーニャ、グリル肉の香りが混ざり合い、夜明けまで踊り明かす人々で溢れます。

主なイベント

子ども向けサンバパレードやカーニバルキング(レイ・モモ)とクイーンの戴冠式、優勝チームによるチャンピオンパレードも見逃せません。ストリートマーケットや仮装コンテスト、アフターパーティーも盛り上がり、祭りの余韻は長く続きます。

衣装と装飾

カーニバルはまさに視覚の饗宴。ダンサーたちは豪華な羽根飾りやスパンコールのボディスーツ、観客もスーパーヒーローやきらびやかなマスクなど思い思いの仮装で参加します。サンボドロモはバナーやライトで飾られ、街路樹や街灯にもリボンやストリーマーが巻かれます。スパンコールの手触りや羽根の重み、ボディペイントのひんやり感も祭りの一部です。

伝統グルメ&ドリンク

屋台では、フェイジョアーダ(黒豆と肉の煮込み)、パステウ(揚げパイ)、シュハスキーニョ(串焼き肉)、ポン・デ・ケージョ(チーズパン)などブラジル定番グルメが並びます。カイピリーニャ(ライムとカシャッサのカクテル)の爽やかな香り、キンキンに冷えたビール、合間につまむブリガデイロ(チョコトリュフ)やココナッツ菓子も人気です。

文化・歴史的背景

リオ・デ・ジャネイロのカーニバルの起源は、ポルトガル植民地時代にさかのぼります。18~19世紀、ポルトガル人移民は「エントゥルード」と呼ばれる四旬節前の祝祭を持ち込み、水を掛け合ったり、ストリートゲームや仮面舞踏会を楽しんでいました。リオの人口が多様化するにつれ、こうしたヨーロッパの風習は、奴隷として連れてこられたアフリカ系住民がもたらしたリズムやダンス、衣装、そして先住民の伝統と融合し、独自の音楽やストリート文化が生まれ、現代カーニバルの基礎が築かれました。

20世紀初頭、サンバはリオのファヴェーラ(貧民街)のアフロ・ブラジル人コミュニティから生まれ、瞬く間にカーニバルの中心的存在となりました。1920年代には最初のサンバチーム(エスコーラ・ジ・サンバ)が誕生し、カーニバルは音楽・ダンス・衣装デザインを競う一大イベントへと変貌します。1984年には建築家オスカー・ニーマイヤーによってサンボドロモが建設され、壮大なパレードのための専用ステージが誕生し、カーニバルは世界的な名声を獲得しました。

今日、カーニバルは世界最大級かつ最も有名な祭りの一つであり、世界中から何百万人もの観光客を引きつけるだけでなく、ブラジル人のアイデンティティや創造性、社会的な一体感を象徴する存在です。多くのカリオカ(リオの住民)にとって、カーニバルは一年で最も大切な時期。日常の悩みを忘れ、隣人や見知らぬ人と共に踊り、多様性を祝い、リオの精神やたくましさ、歓喜を体現する“生きたシンボル”となっています。

参加者の声

ドイツから憧れのリオのカーニバルを体験しに来ました。サンタ・テレーザの坂道で偶然出会ったブロッコ(ストリートパーティー)に、思い切って飛び入り参加。気づけば、地元の人たちが顔や腕にグリッターを塗ってくれて、全身キラキラに!見知らぬ人たちと肩を組み、サンバやカーニバルソングを大声で歌いながら、笑い合い、踊り続けました。路上にはカイピリーニャやビールの香り、カラフルな紙吹雪が舞い、まるで夢の中にいるような一体感と自由を味わいました。この瞬間の高揚感と、国籍も年齢も関係なく心がつながった感覚は、一生忘れられません。

豆知識

  • サンバチームの衣装は15kgを超えることもあり、数か月かけて作られる。
  • サンボドロモは建築家オスカー・ニーマイヤーの設計で1984年に完成。

開催日程

  • 2026年:2026/02/13 - 2026/02/18(出典:リオ・カーニバル公式サイト)
  • 2025年:2025/02/28 - 2025/03/05(出典:リオ・カーニバル公式サイト)
  • 2024年:2024/02/09 - 2024/02/14(出典:リオ・カーニバル公式サイト)
  • 2023年:2023/02/17 - 2023/02/22(出典:リオ・カーニバル公式サイト)
  • 2022年:2022/02/25 - 2022/03/02(出典:リオ・カーニバル公式サイト)
  • 2021年:2021/02/12 - 2021/02/17(出典:リオ・カーニバル公式サイト)
  • 2020年:2020/02/21 - 2020/02/26(出典:リオ・カーニバル公式サイト)
  • 2019年:2019/03/01 - 2019/03/06(出典:リオ・カーニバル公式サイト)

リオ・デ・ジャネイロのカーニバルは毎年2月または3月に開催され、メインパレードはサンボドロモ、市内各地でストリートパーティーが楽しめます。

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実際の様子

Tokyo

photo by Mídia NINJA

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photo by Riotur.Rio

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photo by Mídia NINJA

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photo by Carlos Vieira


開催情報

名称 リオのカーニバル
ブラジル
エリア リオデジャネイロ
開催時期 2026/02/12
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