ラ・フィエスタ・デ・ラ・トラディシオン(ガウチョ祭り)
パンパの魂を感じるサン・アントニオ・デ・アレコの祭典
2026/11/07 - 2026/11/16
毎年11月、ブエノスアイレス近郊のサン・アントニオ・デ・アレコの石畳の街並みが、ラ・フィエスタ・デ・ラ・トラディシオンで活気に包まれます。これはアルゼンチンのガウチョ文化を体感できる最大級の伝統祭で、アサードの香ばしい匂い、馬のひづめの響き、フォルクローレギターの音色が町中に広がります。パンパの本物の精神に触れたい人には、歴史と誇り、温もりが息づく特別な時間となるでしょう。
この祭りは毎年11月10日前後、詩人ホセ・エルナンデス(『マルティン・フィエロ』の著者)の誕生日に合わせて数日間開催されます。地元の家族やガウチョ、旅行者や伝統文化ファンまで、誰もが自由とおもてなし、パンパの誇りを分かち合います。
主な見どころ
ガウチョ大パレード
祭りのハイライトは、何百人ものガウチョたちが見事に手入れされた馬に乗り、街を練り歩く大パレード。ボンバチャ(伝統ズボン)、広いつばの帽子、ポンチョ、銀のバックル付きベルト姿の男女や子どもたちが誇らしげに行進します。馬具の革細工や拍車のきらめき、アルゼンチン国旗がはためく光景はまるで国民詩の一場面のようです。
主なイベント
パレード以外にも、フォルクローレ音楽のコンサートや伝統舞踊、ロデオ(ジネテアーダ)、ガウチョ伝説の語りなど盛りだくさん。パルケ・クリオージョでは馬術や牛追い、投げ縄の実演も見られます。石造りの教会での騎手の祝福や、広場での大アサード(バーベキュー)は町中が一体となる感動の瞬間です。
衣装と装飾
ガウチョたちは刺繍入りのサッシュや銀飾りのベルト、女性は花柄スカートやショール、子どもたちはミニチュアのカウボーイ姿で参加。馬も手作りの革鞍や輝く馬具で飾られます。街中にはアルゼンチン国旗やバナー、野花を積んだ荷車が飾られ、革や薪の煙、焼き肉の香りが漂います。
伝統グルメ&ドリンク
祭りに欠かせないのがアサード。広場では牛肉の塊が薪火でじっくり焼かれ、香ばしい煙が食欲をそそります。エンパナーダやチョリパン(グリルソーセージサンド)、手作りのお菓子も並びます。赤ワインやマテ茶を分け合い、スモーキーな牛肉やピリ辛のチミチュリ、甘いアルファホールの味がいつまでも記憶に残ります。
文化・歴史的背景
ラ・フィエスタ・デ・ラ・トラディシオンの歴史は1939年に始まります。きっかけは、アルゼンチンの国民的叙事詩『マルティン・フィエロ』の著者であり、ガウチョ文化の象徴的存在である詩人ホセ・エルナンデスの誕生日(11月10日)を讃えるためでした。サン・アントニオ・デ・アレコは、19世紀からガウチョ文化が色濃く残る町として知られており、ガウチョの伝統や価値観、生活様式を後世に伝える最適な場所として選ばれました。
当初は地元の有志による小規模な集まりでしたが、年々規模が拡大し、ガウチョの騎馬パレードや伝統音楽、舞踊、馬術競技、職人の実演などが加わり、地域全体を巻き込む一大イベントへと成長しました。特に「パルケ・クリオージョ・リカルド・ギラルデス」では、ガウチョの生活や技術、馬との絆を体感できる多彩なプログラムが展開されます。
この祭りは、アルゼンチンのルーツであるパンパの大地と、そこで生きたガウチョたちの精神を現代に伝える“生きた博物館”としての役割を果たしています。祖先や土地への感謝、独立心や連帯感、そしておもてなしの心を体現する場として、世代を超えて受け継がれています。今や国内外から多くの人々が訪れ、アルゼンチンのアイデンティティと誇りを再確認する特別な時間となっています。
参加者の声
フランスから観光で来ましたが、現地の人たちの温かさに驚きました。ガウチョたちとマテ茶を囲み、衣装の意味やストーリーを教えてもらい、本物のアルゼンチン文化にどっぷり浸かりました。
豆知識
- パレードには毎年1,000頭以上の馬と騎手が参加し、国内最大級のガウチョ集会となる。
- サン・アントニオ・デ・アレコは「伝統の首都」として国から公式認定されている。
- ガウチョの衣装(ボンバチャ、ポンチョ、ブーツ)はパンパの暮らしに根ざした実用的な服装。
- 祭りのアサード用の大きな焼き台では、一度に何十頭分もの牛肉が焼かれる。
- 祭り期間中は『マルティン・フィエロ』の詩が朗読・歌唱され、口承文化が今も息づいている。
開催日程
ラ・フィエスタ・デ・ラ・トラディシオンは毎年11月、ブエノスアイレス州サン・アントニオ・デ・アレコで開催されます。
開催日程は変更になる場合があります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。
開催情報
名称 | ラ・フィエスタ・デ・ラ・トラディシオン(ガウチョ祭り) |
国 | アルゼンチン |
エリア | サン・アントニオ・デ・アレコ |
開催時期 | 2026/11/07 - 2026/11/16 |
リンク |
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