フエ・フェスティバル

毎年春から夏にかけて、ベトナム中部の古都フエは「フエ・フェスティバル」で華やかに彩られます。隔年開催（近年は通年で関連イベントあり）のこの祭典は、かつての王都を舞台に、伝統芸能・パレード・アート・グルメが一体となる大規模な文化イベント。音楽好きも食通も、歴史や伝統に触れたい人も、フエ・フェスティバルはベトナムの王朝文化と創造力を全身で味わえる特別な体験です。

ユネスコ世界遺産の王宮に響く宮廷音楽、香河のランタンクルーズ、郊外のクラフト村の賑わい…。パゴダや宮殿、詩的な川辺を舞台に、色・香り・音・味・手触りのすべてが五感を刺激します。地元の人も観光客も、王朝の面影と現代アートが交差する非日常の世界に引き込まれます。

歴史的建造物でのパフォーマンス

ストリートパレード＆市民ステージ

伝統工芸村とワークショップ

王朝料理＆フードビレッジ

香河クルーズ＆ライトフェスティバル

衣装とデコレーション

フエ・フェスティバルは、1992年のベトナム・フランス文化交流イベントをきっかけに構想が生まれ、2000年に第1回が開催されました。フエは1802年から1945年まで阮（グエン）朝の首都として栄えた歴史都市であり、ユネスコ世界遺産の王宮や皇帝陵、古い寺院など豊かな歴史遺産を有しています。

フェスティバルは当初、戦後の困難な時代を経て地域の活力と誇りを取り戻すため、地元文化遺産の保存と再生を目的に始まりました。第1回は「ベトナム・フランスフェスティバル」として開催され、30万人以上を集めて大成功。以降は隔年開催となり、2002年からは「フエ・フェスティバル」としてアジアや欧米など世界中から芸術団体を招く国際イベントへと発展しました。

この祭りは、阮朝時代の宮廷儀式や「テーザオ（天地祭）」「シャタック祭」「武道博士号試験再現」などの伝統行事を現代に蘇らせるとともに、現代アートや音楽、ファッション、料理など多彩なプログラムを展開。王宮や香河、歴史的建造物が舞台となり、伝統と革新が交差する“生きた博物館”としての都市フエを体現しています。

2024年には50カ国以上の芸術団体と約150万人の来場者を記録し、今やフエ・フェスティバルはベトナム最大級の国際文化イベントとなりました。地元住民にとっては王朝文化の誇りを再発見し、世界とつながる生きた伝統の場であり、観光・外交・地域振興の中核的役割も担っています。文化を通じてフエは“伝統と現代が響き合うベトナム文化の都”として国際的な存在感を高めています。

王宮での宮廷音楽は鳥肌もの。衣装も舞台も本物の歴史空間で、まるでタイムスリップした気分。夜の香河クルーズとランタンも忘れられません。

• 世界遺産の王宮（フエ王城）が多くのメイン会場となる。
• フエは王朝料理の都としても有名で、世界の美食都市ランキングにも名を連ねる。

フエ・フェスティバルはベトナム中部フエ市の王宮・香河・各歴史的建造物を中心に開催。開幕式やパレード、川のクルーズ、光と音のショーなど、非日常の文化体験を味わうならフェスティバル期間中の滞在がおすすめです。