中世週間
時を超えるスウェーデン・ヴィスビューの夢舞台
2026/08/01 - 2026/08/08
毎年8月、スウェーデン・ゴットランド島の古都ヴィスビューは「メーデルティッズヴェッカン(中世週間)」の開催で、中世の世界そのものに生まれ変わります。石畳の街に剣の音や道化師の笑い声、吟遊詩人のメロディーが響き、何万人もの人々が時代衣装に身を包み、騎士や職人、商人になりきって一週間を過ごします。歴史好きはもちろん、家族連れや冒険を求める旅行者、スウェーデンの過去に触れたい人にも、五感と想像力を刺激する“体験型タイムスリップ”です。
地元民も観光客も、歴史再現ファンもファンタジー好きも大歓迎。毎年4万人以上が参加する北欧最大級の歴史フェスティバルで、誰もが“中世の住人”としてリアルな時代を味わえます。
主な見どころ
騎士の馬上槍試合&戦闘ショー
最大のハイライトは、ヴィスビュー城壁外の特設会場で行われる本格的な馬上槍試合。甲冑の騎士たちが馬にまたがり、槍を構えて激突!観客席には旗やバナーが揺れ、馬の蹄の音や金属のぶつかる音、草の香りが会場を包みます。中世の迫力を肌で感じる瞬間です。
主なイベント
馬上槍試合以外にも、パレードやストリートシアター、ファイヤーショー、アーチェリー大会、中世市場、古楽コンサートなどイベントが目白押し。子ども向けのクラフトや剣術体験、大人向けのカリグラフィーや鍛冶体験も人気。夜にはたいまつ行列や中世の宴が開かれ、焼き肉やスパイスワインの香り、音楽と笑い声が街を満たします。
衣装と装飾
参加者のほとんどが中世風の衣装――ビロードのドレスやリネンのチュニック、革のブーツ、豪華なヘッドドレスなど――を着用。屋台や家々はカラフルな旗や盾、ペナントで彩られ、粗い布の手触りや鎖かたびらの重み、ろうそくの灯りが石壁に揺れる光景が“本物の中世”を演出します。
伝統グルメ&ドリンク
屋台では串焼きポークやシチュー、フラットブレッドやチーズなど中世レシピの素朴な料理が並びます。ミード(蜂蜜酒)やスパイスエール、ベリーのコーディアルも人気。焼き肉や薪の香り、ハーブの風味、サワードウの酸味や蜂蜜の甘さが口いっぱいに広がります。
文化・歴史的背景
メーデルティッズヴェッカン(中世週間)のルーツは、ヴィスビューが13世紀から15世紀にかけてハンザ同盟の重要な港町として繁栄した歴史にあります。当時のヴィスビューはバルト海交易の拠点で、ヨーロッパ各地から商人や職人が集い、石造りの城壁や教会、倉庫が次々と築かれました。14世紀にはデンマーク軍との戦いやペスト流行など激動の時代も経験し、街の至る所に中世の面影が色濃く残っています。
1984年、ヴィスビューの中世遺産とユネスコ世界遺産登録(1995年)を記念し、地元の歴史愛好家や文化団体が「中世週間」をスタート。最初は小規模な歴史再現イベントでしたが、年々規模が拡大し、今では国内外から4万人以上が集まる一大フェスティバルに成長しました。ヴィスビューの城壁内外を舞台に、馬上槍試合や職人市、パレード、音楽劇など、当時の暮らしや文化を体験できるプログラムが数多く用意されています。
このフェスティバルは、単なる観光イベントではなく、地元住民や参加者が衣装や道具、料理、音楽まで本格的に再現し、「本物の中世」を五感で感じることを重視しています。子どもから大人まで、世代や国籍を超えて“中世の空気”を分かち合うことで、歴史への興味や地域の誇り、そして人と人とのつながりが深まる特別な一週間となっています。
参加者の声
家族でドイツから来ました。ヴィスビューが中世の街に変身するのは夢のよう。甲冑の再現や衣装の縫い目、料理のスパイスまで本格的で、再現者の方から細かい解説を聞けたのも貴重な体験でした。子どもたちはアーチェリーや人形劇に夢中、夫はミード(蜂蜜酒)を飲んで“まさに歴史の味!”と感動していました。現地の家族に中世の宴に誘われ、夜遅くまで歌を一緒に楽しみました。
豆知識
- ヴィスビューの城壁(13世紀築)は北欧で最も保存状態が良い中世城壁。
- 本格派は城壁外の“中世風テント村”に宿泊し、生活も再現。
- 「中世結婚式」など、衣装で本当に結婚できるイベントも。
- フェスティバルエリアでは料理も中世レシピ・素材で作られるのがルール。
開催日程
メーデルティッズヴェッカンは毎年8月上旬、スウェーデン・ゴットランド島ヴィスビューで開催されます。最新情報は公式サイトをご確認ください。
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